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突然変異説って何?総合説って何?

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昨日は、「自然選択説って何?」についての記事でした。
ちょっと復習をしておきましょう。
ダーウィンの「自然選択説」:環境に適応した個体が生き残り、適応しない個体は消滅していく。その結果より環境に適応した個体が生きのびていく(適者生存)。その繰り返しが「進化」。
日本では、この「自然選択説」を「自然淘汰説」と呼ぶことも多いようですね。
今日は、昨日に引き続き「突然変異説」その後の「総合説」について調べてみました。
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●突然変異説って何?
突然変異説とは、その名の通り「突然変異」が進化の主原動力だとする進化論の学説のひとつだそうです
1901年にオオマツヨイグサの変異の観察からオランダのユーゴー・ド・フリースが提唱したそうです。上の写真の方ですね。でっ!その中味を調べてみると・・・・
ド・フリースの突然変異説 [4]

微小な変異が蓄積して新種が生じるというダーウィンの説に懐疑的にだったド・フリースは、1886年からアムステルダム近郊でオオマツヨイグサの栽培実験を始めました。彼は、この研究において生じたいくつかの変異株が常に同一形質の子を生ずることに気付いた。彼はこれをパンゲン(遺伝を決定する細胞内の要素)が変化したためにそれに支配される形質だけが標準型と異なる「新種」が生まれたとして、これを突然変異と名づけました。
そして進化はこのような突然変異による新種に自然選択が働いて起こると考え、結果を1901年から『突然変異論(The Mutation Theory)』として出版しました。
しかしながら後にこの植物の染色体の遺伝的構成はきわめて複雑なことが判明し、ド・フリースの観察した結果は三倍体ないし四倍体による変異であると説明されるようになった。それでも、彼の理論は現在でもある種について進化に繋がる変異がどの程度起きるかを考察するために重要なものとみなされている。

突然変異論のもととなったオオマツヨイグサの栽培実験は、その後の研究で三倍体・四倍体による変異と説明されるようになったんですね。しかし突然変異論は何故か?残り続けている :roll:不思議です。
(ちょっと横道にそれますが、三倍体・四倍体と言うと劇場の中でも出てきた「種なしスイカ」を思い出しました。種なしスイカは、3倍体で染色体のセット数が奇数なので、正常に減数分裂が起こりません。これにより配偶子が出来ず種が出来ません。)
ダーウィンの自然選択説では、首の長いキリンがどうやって表れたのか?は説明できません。この頃ダーウィンは、ラマルクの言う獲得形質の遺伝により首の長いキリンが現れたんだろうな~と考えていたようです。
その後に出てきたのが、この「突然変異説」。ミッシングリンク(=化石では中間の種が発見されていない)を見事に説明しているってことなんでしょうね。たまたま首の長くなった突然変異を起こしたキリンが生まれた!!(ん~都合のいいような、思考停止のような・・・・・)そしてその後の総合説に繋がります。
●総合説って何?
進化の不連続性を取り上げる突然変異説は、当初ダーウィンの自然選択説と対立しましたが、その後進化の総合学説に以下のように統合されました。
突然変異の発見により、ラマルクの獲得形質がキリンの首を長くしたのではなく、たまたま首の長くなった突然変異を起こしたキリンが生まれ、それがダーウィンの自然淘汰により生き残った結果が、進化だ!と考えられるようになりました。
その後、この突然変異が集団の中でどのように広がって行くか?を数学的に研究する集団遺伝学が始まりました。そして現在では、遺伝子DNAの仕組みが分かり、これを遺伝子レベルでも説明しようと研究が進められています。
このように、ダーウィン進化論の自然淘汰に近年の新しい研究成果を取り込んだ進化論は、「総合説(ネオダーウィニズム)」と呼ばれ、進化論の主流の座を保ってきたとのこと。
総合説(ネオダーウィニズム)=自然淘汰+突然変異+集団遺伝学・分子生物学
このような総合説(突然変異+自然選択)について、私達素人から見ると、何かスッキリしません。本当?と思ったりします。何か誤魔化されているような・・・・。今回の劇場では、ここが非常にスッキリしました。その内容について、明日からの劇場シリーズでお伝えしていきます。ご期待ください
最後に、どうすっきしないのか?なるほどっ 😀 と思った投稿がありましたので、紹介しておきます。
是非、ご覧ください。
進化論は神の証明か [5]

主流進化論によれば、進化とは、確率的にいえば限りなくゼロに近い(小数点以下六百万桁)有利な突然変異と、自然選択によってのみ生じたのだとされる。
この進化モデルは、環境に対する生物自身の能動的(主体的)な適応(本能)を一切排す点で運命論的である。
そして、「自然選択(自然淘汰)」を「自分ではどうすることもできない(自然)環境※」に、「有利な突然変異」を「奇跡的に生ずる変身(変態)」と置き換えると、これは古代の宗教思想そのものではないのか、という疑問が生まれる。
何のことはない、主流進化論とは、「奇跡的な(神の)救いが無ければ、生物は滅びゆくしかない」という、私権時代の閉塞が生み出した古代宗教思想の追認作業、つまり神の証明をしようとしているだけではないのか。
これは、こうした進化原理を作り出した、現在の科学的手法の基盤となっている近代思想が、実は古代宗教と何も変わらない、という事実を指し示す一例と言えるだろう。
言うまでも無く、進化原理とは歴史構造の最も根底的な位置にある。認識パラダイムの転換とは、とりわけ進化論においては全面的な書き換えに繋がるものとなるだろう。
※市場社会以降の先進国に於いては、自然圧力を含め、すべての圧力は私権圧力へ収束していたと考えられる。したがって、(どのような)圧力も「自分ではどうすることもできない」ものとして認識されていたと考えられる。

参照
ウィキペディア(Wikipedia) [6]
「そこが知りたい!遺伝子とDNA」中原英臣監修・久我勝利著 かんき出版

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