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IMPってなに?

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画像はコチラ [1]から
プリンヌクレオチド(ATP・GTP)をつくるときに元になるのがIMPです(ちなみにピリミジンヌクレオチドの元になるのはUMPです)。→リンク [2]
IMPについて気になったので調べてみました。 8)


☆AMP、GMPとIMP
===以下(リンク) [3]から引用===
◆ プリン生合成経路の最終産物は、イノシン5’- 一リン酸(IMPあるいはイノシン酸)である。このものは塩基としてヒポキサンチンすなわち6-オキソプリンをもつ。IMPの新規合成には、多量のエネルギーが消費される。
◆ IMPは、主要なプリンヌクレオチドであるAMPやGMPのいずれにも変換される。
◆ IMPからのAMPの合成でGTPが補助基質に使用され、また、IMPからGMPの合成ではATPが補助基質に使用されるが、これらは、この二つの産物の形成バランスを保つのに役立っている。
◆ IMPが合成され、さらにAMP、GMPのいずれが合成される経路で、最終産物が、最初の共通経路の二つの段階と、分岐点の最初の酵素を阻害することに注意してほしい。
===引用終了===
IMPからのAMPを合成するときにはGTPが使用され、IMPからGMPを合成するときはATP使用されるというところがおもしろいところです。
また、これらは、この二つの産物の形成バランスを保つのに役立っているというところもポイントですね。
このことより、ATPとGTPの起源も同時期ではないかと考えられます。
☆IMPは旨味成分
●グアニル酸 (GMP) やイノシン酸 (IMP) は呈味性ヌクレオチドと呼ばれる(リンク [4])。
●呈味性ヌクレオチドがうま味を呈する条件として以下の三つが挙げられる。(リンク [5]
1.プリン核を持つヌクレオチドであること。
2.プリン核の6位の炭素に-OH基を有すること。
3.リボースの5’位がリン酸化されていること。
●魚の鮮度評価にATP→IMP(→イノシン→ヒポキサンチン)が利用されている。(http://www.jsrae.or.jp/annai/yougo/152.html)
<補足>
ATP分解は早く、数時間でほとんどが分解される。IMPまでの分解は比較的早く進行するが、IMPの分解は緩やかに行われる。
→動物が死ぬとATPは分解されてしまう。=ATPの維持には生命活動が必要。
☆原初生命はIMP他からもエネルギーを得ていた!?
===以下(リンク [6])(リンク [7])から引用 一部要約===
生物は糖を分解してエネルギーを得ています。その最初の過程で、6つの炭素から成る糖(六炭糖)をリン酸化するのに使われる酵素は「ヘキソキナーゼ」と呼ばれます。「ヘキソ」はギリシャ語で「6」、「キナーゼ」は「リン酸化する酵素」を意味します。六炭糖の中で生物が最もよく利用するのはグルコース(ブドウ糖)ですが、原始の生命も我々動植物と同じような仕組みでエネルギーを得ているのでしょうか?
東京大学農学生命科学研究科の若木高善(わかぎ・たかよし)助教授と祥雲弘文(しょううん・ひろふみ)教授の研究室では、超好熱性古細菌スルフォロバスの中にグルコースをリン酸化することができるヘキソキナーゼを見つけました。この酵素はグルコースだけでなく、マンノース、グルコサミン、N-アセチルグルコサミンなど、いろいろな種類の糖をリン酸化できる性質を持つことがわかりました。また、リン酸供与体(ヌクレオチド)ではATPだけでなくCTP,ITP,GTP,UTPも基質になることが明らかになりました。 このような性質は、少ない種類の酵素で、いろいろな糖をエネルギー源として使うのに適しています。現代の生物の酵素が、特定の種類の糖をエネルギー源とするのに最も効率よく働くように専門化されているのに対し、原始の生命のヘキソキナーゼは、効率のよい専門家ではなく、いろんな糖をリン酸化する、便利屋だったようです。
===引用終了===
今のところわかったのはココまでです。
○IMPからのAMPを合成するときにはGTPが使用され、IMPからGMPを合成するときはATP使用される。
○初期生命はIMP他からもエネルギーを得ていた可能性がある。
ということが気づきでした。

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