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藻類の細胞分裂

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緑藻のクラミドモナスには二本の鞭毛を持ち、鞭毛の土台に基底小体と呼ばれる中心体が存在します。鞭毛も基底小体も微小管で構成されています。細胞分裂時は鞭毛も基底小体も消失し、新たに二対の中心体が核膜付近に形成されます。
ちょっと飛躍しますが、鞭毛付近を極とするなら、大腸菌もクラミドモナスも極付近に中心体が形成され、分裂後に基底小体となるのではないでしょうか。

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さらに特徴として

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クラミドモナスなど淡水の緑藻類の多くでは,核分裂の時,核膜は消失しません。核膜を保ったまま(核膜残存),染色体は両極に分離し,娘核が形成されます。娘核が形成されるまでに中間紡錘体は崩壊して消失する。紡錘体の消失に伴って2個の娘核は急速に接近して赤道面を挟んで向かい合うが,このとき,細胞の分裂軸に直角(つまり赤道面に水平)の方向に多数の微小管が出現します。この微小管をフラグモプラスト(核膜形成体)に対してファイコプラスト(phycoplast)とよびます。ファイコプラストに沿って細胞膜の環状収縮や小胞の形成が起こって,やがて細胞の隔壁が形成されます。
筑波大学植物系統分類学研究室 [5]

中心体から伸びる紡錘体は核膜を貫通して染色体に届いているようです。
過去に当ブログで「葉緑体の配置は中心小体と別に決まっている」
http://www.biological-j.net/blog/2008/11/000619.html
とありますが、わかめや昆布など褐藻植物では中心体が葉緑体の分配にも関与しているとの報告があります。

・核分裂完了後、娘核の近傍に位置する中心体から細胞中央部にむけて微小管が発達、
・互いの中心体から伸びる微小管が交わる部分に細胞質分裂に関わる数種の小胞が集積、
・集積してきた小胞が互いに融合し、やがて原形質膜へ到達、
・細胞壁成分の沈着をもって細胞質分裂が完了する、ということが分かりました。
 褐藻カヤモノリの雌性配偶子に複数の雄性配偶子が受精した(多精受精)場合の核分裂、細胞質分裂について観察を行ったところ、中心体は細胞質分裂の進行および分裂面の決定、さらには葉緑体の娘細胞への分配にも関与しているといった結果が得られています (Journal of Cell Science 2002)。
北海道大学北方生物圏フィールド科学センター [6]

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