- 生物史から、自然の摂理を読み解く - http://www.seibutsushi.net/blog -

なんでや劇場レポート3~生物の起源にせまる

なんでや劇場レポート③
生物の起源にせまる今回のレポートも、いよいよ大詰です! 😀
では、中心体原基とリン脂質膜によって、外部から選択的に物質を透過させることができる「生体膜 」が作られて以降の生物進化をみてみましょう。


生体膜が作られると、こんなことが起きたと考えられます。
生体膜の内と外に境界ができたことで、ヌクレオチドなどの材料を取り込み、蓄積する(=内部濃度を高める)ことができるようになった。
クエン酸回路ができるので、ATPを増産できるようになった。
 つまり、生体内エネルギー生成機能獲得した。

※生体内エネルギー生成機能については、こちらに詳しい仕組みが解説されています ⇒ 「代謝」 [1]
高分子の多様なタンパク質合成を可能にするRNA生成の条件が整った。
生体膜(細胞膜)内でRNAが生成されたら、今で言うところのウイルスくらいの機能を持っていることになりますね。
生物まで、あと一歩です !!
やがて変異性に富んだ性質をもっているRNAは、自身の情報をDNAに保存するようになります。
なぜなら、保存性の悪いRNAに依存すれば、種々雑多の次世代ができるだけで、進化スピードは速いけれど、安定性に欠き、絶滅してしまう可能性あがあるからです。
それでは、困ります 🙁 。
生物の最重要課題は、「種の保存」です。
安定性の高いDNAに情報を保存することが必要だったのです。
そして、DNAに情報を保存することができてはじめて、分裂→複製する機能を獲得したのです。
DNAによる保存⇒複製機能を獲得できたこと。
これが、原核生物のはじまり(=原始生命の誕生)です!
かなり駆け足で生命の起源について展開しました。
分かりやすいように、なんでや劇場でもらった資料をこちらに~。
[2]
(長い長いなんでや劇場「生物史編」も、今回をもってようやく、生命の起源に迫ることができました!!! )
生命のスタートにDNAは欠かせないことから、あたかもDNAが生命の中心を担う存在であるかのように言われがちです。確かにDNAの重要性には納得ですが、実は、分裂システムの起点になる存在は中心体(中心体原基)だったというのは、新鮮な驚きでした。そしてこの中心体こそが、生命体の司令塔役を担っているということも、納得がいきますね。

[3] [4] [5]