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両生類の絶滅、温暖化が主因ではない?

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ナショナルジオグラフィックの日本語サイト [1]を見ていたら、以下のようなニュースを目にしました 🙄
最近、マスコミでよく見かける、「温暖化によって生物が絶滅の危機に瀕している」といったことの一事例であった、両生類の激減が、実は温暖化は主要因ではないのではないかというニュースです。まずはニュースの一部を引用します。
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世界中の両生類はいま、致死的な感染症の蔓延で苦境に立たされている。従来の研究では世界的な温度上昇が感染症蔓延の要因となって個体数の急減を招いていると考えられていたが、最新の研究によると、地球温暖化は主要因ではないかもしれないという。


 

「ラテンアメリカの両生類について数十年分のデータを精査した結果、気温の上昇と種の絶滅にはいくらかの相関関係がみられただけで、はっきりした因果関係を認めるには不十分だった」という。


 

「1つの相関関係に基づいて早急に結論を出すことはできない。60~70種という多くの種を対象とする場合には、なおさらだ。注意深く研究を進めることが重要になる」とロール氏は話している。


 
因みに、両生類の大量絶滅の原因といわれているカエルツボカビ症とは、(少し前に日本でもニュース等で話題になりましたよね…
 

ツボカビの一種カエルツボカビ(Batrachochytrium dendrobatidis)によって引き起こされる両生類の致死的な感染症


で、

北米西部・中米・南米・オーストラリア東部で劇的な両生類の減少あるいは絶滅を引き起こしてきた。この病気は世界的な両生類の生息数と、世界の両生類種の30%もの種数の減少に関連している。


といわれています
 
何か今までと違うことが起こると、何かと温暖化が原因とされることに常日頃から違和感 を持っていたのですが、こういった事例は実は結構多いのではないかと考えています。(今回の事例がどうなのかは、今後の研究結果を待たなければわかりませんが…
というのも、地球ではこの間の「温暖化」だけではなく、それよりも大きな変動も含め、過去に幾度となく気候変動を繰り返しています。例えば、つい15万年前ぐらいにも現在と同程度(それ以上)まで温暖化しているようなので、少なくとも現在生息する動物たちはその時期を乗り越えてきたはず。そう考えると、直感的には、多少状況が変わっているとは言え、ここまでの大量絶滅が温暖化によって引き起こされるのか…疑問が残ります。
 
何が言いたいかというと、ある汎用性の高い「枠組み」のようなものを与えられると、何かとそこに結び付けて考えたくなる、という性質が僕らにはあって、それが「科学的思考」を妨げている要因になっているのではないか、ということです。(「セントラルドグマ」にもそのような側面があるかもしれませんね。)
そして場合によっては、発信者にプロパガンダとして利用される…
 
このブログの紹介文にも、以下のような一文があります

現代文明の一翼を担ってきた生物学会の定説や専門家の言説に縛られることなく、素人(だけ)が持つ自在性を存分に発揮して、自由に思考を組み立てながら、如何なる権威とも無縁な立場で、新しい仮説を提起して行くことを目指しています。

 
これを実践していくのは非常に難しいことですが、だからこそ権威や体裁にとらわれないで思考、発信できる立場にある、ぼくら素人自身が意識して取り組みたい姿勢なのではないか、と改めて感じました。(かなりタイトルからは逸れてしまいましたが…

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