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脳幹出血の症状と要因

脳幹出血の後遺症相談 [1]を受け、まずは症状や原因などの基本的なところから押さえようと思います。
 
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画像はコチラ [5]からお借りしました。
 
●脳幹の機能、位置
ヒトの脳は、大きく「大脳」「小脳」「脳幹」に機能分類できます。大脳は思考や記憶を司り、小脳は運動や身体機能を司ります。そして脳幹は、大脳や小脳から発せられた信号や、逆に身体から入ってくる信号を伝える、入出力交差点のような機能を果たしています。また、体温調整したり、心臓を動かしたりしています。脳と身体をつなげ、生命維持の指令を出しているところ、それが脳幹です。
 
脳幹は、さらに「延髄」「橋」「中脳」「間脳」に分類できます。延髄は呼吸や循環、消化。橋は多くの神経核が存在し信号の受け渡しを行っています。中脳は運動系の中継所。間脳は、入出力の交差点として働いています。
 
●脳幹出血の恐ろしい症状
脳幹出血は、この脳と身体の結節点、生命維持に不可欠な指令機能で起こる出血です。血管が破れ、出血が始まると、血腫が拡がり、周辺の健全な細胞を破壊していきます。結果、脳と身体の神経接続が絶たれ、生命が危険に晒されます。出血がおさまった後も、細胞が破壊されて神経接続が絶たれたままなので、後遺症が残る可能性が高くなります。出血箇所により、破壊される細胞も変わるため、後遺症も人により異なります。
 
また後遺症は、半身麻痺になることが多いようです。脳幹に酸素や栄養素を運ぶ血管は、「椎骨動脈」と呼ばれ、脳幹の中心に近い位置に、左右2本走っています。脳幹出血で半身の機能が麻痺してしまうのは、左右の内どちらかの血管が破れたからと考えられます。(生命維持において重要な機能を担う脳幹には、2本の動脈が用意されていました。)
 
●日本人が考慮すべき出血要因
脳内の血管は破れやすいのか心配になると思います。実は血管は、通常の10倍血圧くらい耐えることができるそうです。ところが生活が西洋型に変わり、動物性脂肪をとり、植物性タンパク質が少ない食事を続けていると、血管の耐久度が落ち、破れる可能性が高まるそうです。
 
また、塩分を多く含む食べ物を日本人は好みます。欧米人は塩分摂取6g/日程度ですが、日本人は倍の12gも摂取しているそうです。塩分過剰は、高血圧につながり、血管が破れる原因になります。また出血後の血腫の拡がりも大きくなり、周辺細胞に及ぼす影響も高まります。
 
●脳幹出血頻度、そして奇跡の生還
脳内出血の頻度は、1万人に2~3人。高齢(80歳以上)になると45人にもなります。苦しまれている方が多くいらっしゃることがわかりました。そして脳幹出血の死亡率は、実に70~80%にもなります。後遺症は、残念ながら、ほぼ100%残るそうですが、その生還はまさに奇跡であると言えます。また僅かですが、復帰できる方もいるそうです。
 
 
参考脳出血1 [6] 脳出血2 [7] 椎骨動脈 [8]

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