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GTP、GDPの接着機能

GTPやGDPがチューブリンを重合させる接着剤の機能を持つとありましたが、今回はその謎に迫ります。
ヌクレオチドって単体でも機能しているとはつい最近まで知りませんでした。
ヌクレオチドの一つGTPとは何かウィキペディアによると

GTP=グアノシン三リン酸(グアノシンさんリンさん、guanosine triphosphate)は生物体内に存在するヌクレオチドである。正式名はグアノシン-5′-三リン酸、普通は略称 GTP で呼ばれる。分子量 523.18。
グアノシン二リン酸 (GDP) からアデノシン三リン酸 (ATP) のリン酸を受容して生合成される。類似した構造を持つ ATP が生物体内で高エネルギーリン酸結合のエネルギーを利用して、様々な生合成や輸送、運動などの反応に用いられるのに対し、GTP は主として細胞内シグナル伝達やタンパク質の機能の調節に用いられる。

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GDP(グアノシン二リン酸)
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チューブリンが重合、脱重合する仕組みは、GDPよりGTPの方が接着力があるからだと推測されますが、その仕組みは?
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分子構造を見るとOマイナスがGTPには3つ、GDPには2つありますね。
これはGTPは3価の負電荷を持つ分子で、一方、GDPは2価の負電荷を持つことを表します。
その電荷の力でチューブリンなどのタンパク質のコンフォメーション(立体配座、平たく言えば「形」)を変えることで、GTPやGDPが二つのタンパク質にはまるのではないかと考えています。
つまりGTPはGDP1.5倍の電荷を持ち、その電荷の差がタンパク質の形状をよりはまりやすい形に変えている、もしくは負電荷のエネルギーの差の分だけタンパク質のプラスの極性を引き付けているために接着力が強いのではないでしょうか。

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