2008-11-14

細胞内における区画と、分裂時の小胞化の意味?

◆分子シャペロンは、タンパク質のゆりかご?!
タンパク質は、アミノ酸が重合してできた長いヒモ(高分子化合物)だが、高次に折り畳むことによって、初めて、その機能を発揮する、という。
多くの場合は、自ずと畳み込むらしいが、ままならないときは、分子シャペロンのやっかいになるようだ。それというのも、細胞内は色んな物質で満ち溢れているので、例えば製造過程のタンパク質と反応してしまうと、こんがらかってしまうから・・・
やんちゃな息子を悪の道からガードする親が、同世代の悪ガキ仲間から遠ざけるように・・・なんて表現する向きもおった。
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     「理科ねっとわーく」からお借りしました。
◆膜という、細胞内区画の効用
真核生物細胞内の核、小胞体、ゴルジ体、エンドソーム、リソソーム、ミトコンドリア、葉緑体、ペルオキシソーム等は、生体膜で囲まれた細胞小器官だ。
これらの膜系細胞小器官は、細胞内を区画されることにより、色々な化学環境下での生化学反応を並行して行うことを可能になっているようだ。また、膜の内外で様々な物資の濃度差を作ることができるので、エネルギー生産(電子伝達系)や、物質の貯蔵などを行っている、という。
さらに小胞体、ゴルジ体、エンドソーム、リソソームは、小胞を介して細胞膜と連絡しあっており、このネットワークを通じて物質の取込み(エンドサイトーシス)や放出(分泌)を行うことで、他の細胞や細胞外とのコミュニケーションを達成している、同じファミリーに属している。
つまり、ひとつの小器官から出芽して別の小器官に融合する輸送小胞によって小器官の内部同士・内部と外部は相互に連絡している(=統合している?)、というわけである。
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◆細胞内の区画を保つ新たな仕組み
細胞内小器官はそれぞれ固有の働きを分担して細胞の活動を支えている。
・小胞体はmRNA からタンパク質の作られる場であり、
 生成蛋白質の品質管理の拠点でもある。
・細胞の他部分のための脂質の合成の場でもある。
・Ca2+ の貯蔵場所。
・合成したタンパク質や脂質の殆どをゴルジ体に送る。
・タンパク質はゴルジ体で修飾・選別された後に、
 種々の目的地へ送り出されていく。

細胞内小器官の形態は大変に特徴的で、小胞体は網状構造で、ゴルジ体は扁平膜積層構造である。細胞内小器官の特異的な形態とその機能は、種を越えて良く保存されており、その機能がその形態と密接に関連していると考えられている。
しかし、この特徴的な形態は細胞周期間期にのみ見られるもので、細胞分裂期に入るとその多くが小胞化してその形態は失われる。
素人考えでは、その小胞化は細胞質を均等に分割しやすいようなメカニズムで、ようでけたもんだ! と納得してしまいそうだが、そのように簡単にはいかないそうだ。
>この細胞周期における細胞内小器官の変化を引き起こす分子機構やその意義については未だよくわかっておらず,細胞生物学の一大トピックである.( リンク ) 図版とも 
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◆膜機能の分配のために、小胞化するの?
一方、
・細胞の分裂時、細胞は小器官を拡大してからそれを二分し、
 娘細胞に分配する。
・小胞体を細胞から完全に取り除くと細胞はそれを再構築できない。
・膜で囲まれた小器官を作る情報はDNAだけにあるのではなく、
 小器官の膜に存在する特定のタンパクが持つエピジェネティック
 な情報も必要。親細胞から子孫へと小器官そのものとして伝達。

 ( リンク )
だそうだ。とすると、細胞の分裂時に小器官が小胞化するのは、膜上の情報と機能を均等に分配するため、ということなのだろうか?
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参考:細胞内小器官ゴルジ体・小胞体・核膜の形成維持機構
    第12章part1(The Cell第8章-第13章)
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関連:原核生物から真核生物への進化過程
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   by びん

List    投稿者 staff | 2008-11-14 | Posted in 未分類 | No Comments » 

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