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RNAと酵素タンパク質の協働作業1

酵素は、現在確認されているだけでも、約2,400種あるといわれています
酵素は、体の中で生命活動を維持するためにいろいろなところで活躍しているのです。
今日は数ある酵素の中でも、RNAとかかわりのある酵素にどんなものがあるのか、紹介してみたいと思います!
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その1.ヘリカーゼ(helicase)
helicase.gif
ヘリカーゼは核酸のリン酸エステル骨格に沿って動きながら絡み合う核酸をほどく役割を担う酵素です。
直接RNAと協働するわけではありませんが、mRNAを合成するには、このヘリカーゼがDNAの鎖を解かなければ始まらない!ということで特別に紹介。
ちなみにヘリカーゼは、ATPやGTPを加水分解して得られるエネルギーを使って塩基間の水素結合を解消し、DNAの二重らせんを解きます。二次構造を取ったRNAなどをほどくこともあるそうです。DNAヘリカーゼはヒトで24種類あるといわれています。
その2.RNAポリメラーゼ(RNA polymerase)
1k83.jpg
ヌクレオチドを重合させて、RNAを合成する酵素です。
かなり複雑な形をしているように見えます。なぜなら、RNAポリメラーゼと呼ばれる酵素と、転写因子と呼ばれる補助タンパク質が共同で転写を行っているからです。
このRNAポリメラーゼ、実は、1種のコア酵素にある因子(非タンパク質性の分子)が結合して初めて酵素として機能するのです。こうした酵素のことを、ホロ酵素と呼びます。
コア酵素にどの因子が結合するかによって、転写される遺伝子の種類が決まります。
その3.ホスホヒドラターゼ、グアニルトランスフェラーゼ、2種のメチルトランスフェラーゼ
mRNA前駆体は、mRNAになるときにプロセシングを受けます。この過程で関与する酵素たちです。具体的には、mRNAのキャップ構造(*)を作るときに作用します。
*)キャップ構造—–
mRNAは、安定性を増すために、RNAを分解するエキソヌクレアーゼの作用を受けないように、mRNAの末端を修飾します。
mRNA前駆体の合成が完了する前に、末端リン酸基(ヌクレオシド三リン酸)がホスホヒドロラーゼの作用で取り除かれます。次に、グアニリルトランスフェラーゼによって、残った5’-二リン酸基がGTP分子のα-リン原子と反応して5’-5’三リン酸結合をつくります。こうして出来上がった構造はキャップとよばれています。

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