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原核細胞から真核細胞への進化【共生説】

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<原核細胞より引用 リンク [1]
真核細胞はどうやって生まれたの
原核細胞から真核細胞へと進化する際、原核細胞同士の共生が行われたという説が有名ですが、今回は共生説について、学説も含めて記事にしたいと想います 🙄
その前に、いつものヤツをお願いします
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<真核生物の起源より引用 リンク [5]
今から約35億年前、生物は最初、原核細胞と呼ばれる単細胞生物から始まりました
そして、約20億年前により複雑な真核細胞の進化を経て、約10億年前に多細胞生物への進化の道を開いていきました
原核細胞には、大腸菌などの細菌類が含まれます。地球上に生命が誕生してから、約15~20億年もの間は、この地球上に存在するすべての生物は、この原核細胞の細菌だけだったのです
一方、真核細胞は核膜で囲まれた核をもち、さらにミトコンドリア、葉緑体や鞭毛や繊毛などの細胞小器官をもつ複雑な細胞形態を成しています 😮
それでは、どのようにして、単純な原核細胞から、複雑な真核細胞へと進化できたのでしょうか
ほとんどの生物学者は、
 『真核細胞はアメーバ状の原核細胞と、ミトコンドリアや葉緑体のもととなった原核細胞との「共生」によって進化した』 
ことを認めおり、これを、 「細胞共生進化説」と言っています
細胞共生進化説は、以下のようなステップを踏んで真核細胞が誕生したという説です。
アメーバ状の原核細胞(古細菌)に、DNAを結合した細胞膜が陥入して核膜となった                  

そこに原核細胞である好気性細菌(真正細菌)がやってきて、細胞内に取り込まれ、「共生」するようになった(→取り込まれた細菌がミトコンドリアになる)                  

次に、藍藻が細胞内に取り込まれて、それが葉緑体となった
このような「共生」によって、原核細胞は真核細胞に変化していったという説が、「細胞共生進化説」です
この「細胞共生進化説」を決定的にしたのが、リスとプラストという二人の学者の研究結果で、1962年、彼らは、細胞とその中に共生している葉緑体には、全く別の独立した遺伝子が存在していることを明らかにしました
また、葉緑体の遺伝子と原核細胞の藍藻の遺伝子とは、ともに存在様式がとても似ていることを明らかにしました
時を同じくして、ミトコンドリアからも独立した遺伝子が見つかり、ミトコンドリアや葉緑体が共生の結果出てきたという説は決定的になりました
ここで、共生に至る逆境はなんだったのか?ということを明らかにしておきましょう
【嫌気性細菌の逆境】 

地球に酸素の少ない時代は、嫌気性の原核細胞、すなわち嫌気性の細菌だけでよかった。しかし、やがて藍藻が誕生し、大気中に酸素を放出しはじめると、この嫌気性細菌は次第に生きることが難しくなってきた(逆境)。
そこで、嫌気性細菌の細胞内に好気性細菌を取り込んで「共生」を始めた。
好気性細菌を取り込むことで、猛毒な酸素に対しても適応できるようになった。

【好気性細菌の逆境】

28億年前にシアノバクテリアが繁殖し、光合成により酸素の含有量が増えた。
酸素の多い海表面に適応したのが好気性細菌と呼ばれる原核細胞。
好気性細菌は酸素を燃料としてエネルギーを生成できるので運動能力=捕食能力を強めます。
その一方で代謝も増加→栄養不足という事態(逆境)に陥ります。
タンパク質のかたまりである異種生命=嫌気性細菌(古細菌)に侵入することで栄養不足に適応できるようになった。

いずれにしても、地球上で多様な生物が進化できたのは、この真核細胞の進化がきっかけになっていることは間違いないと考えられます。
この生物進化の歴史で最も重要な事件である真核生物の登場により、これまで生きていくのに不適だった、いろいろな場所にも生物は進出可能になったのです。
以上、さまざまな学説を交えて『共生説』を紹介しましたが、一つだけ疑問 が生まれます
それは、嫌気性細菌(古細菌)と好気性細菌(真正細菌)とでは、生息域が異なるはずなのに、どこで出会ったのか?という疑問です。
これについては、引き続き調査を続けていきます 。。。お楽しみに
以上、やっさんがお送りしました

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