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細胞の認識機能と食作用

Posted By nodayuji On 2008年6月22日 @ 8:54 PM In 未分類 | 3 Comments

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この画像は駒田研究室 [1]よりお借りしました。
細胞がタンパク質などの比較的大きな分子などを、細胞膜で包んで細胞内に取り込むことを食作用といいます。一つ一つの細胞が、何を取り込んで何を取り込まないか決めている認識機構はどのようになっているのでしょうか。興味をもたれたら、次に進む前に応援もお願いします。
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■食作用の獲得は真核細胞
食作用と言う言葉を知らない人も、アメーバーが細菌などを包み込むように体内に取り込んで消化して食べてしまうのは知っているのではないでしょうか。食作用は、細胞膜を通過できないような大きなタンパク質などを、細胞膜で包み込んで体内に取り込んで消化する事です。
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この画像はアメーバの仲間(原生動物・根足虫類) [5]よりお借りしました
この食作用が出来るようになったのは、真核生物以降です。大腸菌などの原核生物は食作用を持っていません。細胞が固い細胞壁で覆われているため、細胞膜を通じて吸収するしかありません。そのため、原核生物は消化酵素を体外に分泌し、体外で消化して細胞膜の膜タンパクを通れるぐらいに小さくしてから吸収しているのです。
参考:真核細胞の誕生と食細胞化 [6]
■細胞同士の食べあいの勝敗はどうやって決まるか。
アメーバーなどの真核生物が、大腸菌などの原核生物を取り込んでだ場合、一見すると真核生物が一方的に原核生物を攻撃しているように見えますが、実は、取り込まれたほうも負けずに攻撃しています。
取り込んだほうも、取り込まれたほうも、互い相手の膜を破壊するために消化酵素をだして、相手を攻撃しています。先に膜を破壊されたほうが負けで、消化されてしまいます。
ですから、取り込まれた原核生物が相手の膜を破った場合は、取り込んだ真核生物が死ぬこととなります。膜が破られると、消化酵素が直接細胞内に撒き散らされ、包み込んでいた真核生物は核等の器官も細胞膜も破壊されバラバラになってしまいます。
■食作用(エンドサイトーシス)が起こるシステム
食作用はエンドサイトーシスとも言いますが、受容体(レセプター)に細胞外物質(リガンド)が結合することから始まります。
受容体にリガンドが結合すると、細胞内のタンパク質にその情報が伝達され、細胞内の特殊なタンパク質が変形することで細胞膜が陥没します。リガンドは受容体ごと細胞膜に包まれなが引き込まれ、小胞に包まれた状態で細胞内に取り込まれます。
そして、小胞にリソソームが結合し消化酵素を送り込んで消化します。
参考:エンドサイトーシス [7]
※1.受容体にリガンドが結合した後の細胞内の反応
参考:細胞が外部から分子を取り込むメカニズムの一端を解明 [8]
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※2.細胞膜がリガンドを包み込むタンパク質の機構
参考:細胞外から細胞内へ分子を取り込む細胞膜陥入機構を解明 [9]
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■食作用を起す受容体の構造
食作用を起す受容体の事例がウィキペディアにありました。
参考:LDL受容体 [10]
LDL(低比重リポタンパク質)受容体は、LDLをはじめとする種々のリガンドの細胞内取り込み、あるいはシグナル伝達を司る多機能タンパク質で、ファミリーを構成する分子は10種類以上あります。
ファミリータンパク質には共通した以下のような構造(ドメイン)があります。
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この画像はLDL受容体 [10]の画像を編集して作成しました。
1.細胞質内ドメイン(NPxY)
種々の細胞内タンパク質との結合部位で、シグナル伝達やエンドサイトーシス誘起を司るドメイン。
2.細胞膜ドメイン
LDL受容体ファミリーは1回膜貫通型受容体であり、1つの膜貫通ドメインを持つ。
3.O-結合糖ドメイン
細胞膜ドメインに続くドメインで、細胞外ドメインの根元に位置する。
4.EGF(上皮成長因子)前駆体相同ドメイン
EGF前駆体相同性ドメインとその両端にあるシステインリッチなEGFリピート、およびYWTDドメインからなる。EGF前駆体相同性ドメインは6翼からなるβ-プロペラ構造を形成し、エンドソームにおけるpH依存性のLDL放出に関与する。
5.リガンド結合ドメイン
細胞外でリガンドと結合するドメイン。システインを6残基含む約40アミノ酸残基からなるドメインで、ジスルフィド結合により3次元構造を形成する。また、カルシウムイオンを含み、カルシウムにより構造が安定化しているとされる。また、それぞれ異なる部位でapoB-100(リピート2-7)とapoE(リピート5)を認識する。
5のリガンド結合ドメインの形状に様々な種類があり、結合ドメインの形状を変化させることで、細胞内に取り込むものを選別しています。


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[1] 駒田研究室: http://www.kitamura-lab.bio.titech.ac.jp/komada-lab.html

[2] Image: http://blog.with2.net/link.php?548466

[3] Image: http://science.blogmura.com/

[4] Image: http://blogranking.fc2.com/in.php?id=92199

[5] アメーバの仲間(原生動物・根足虫類): http://www.kyouiku.tsukuba.ac.jp/~matsuyan/konsokutyu.htm

[6] 真核細胞の誕生と食細胞化: http://green-forest.hp.infoseek.co.jp/seimei-4-3.htm

[7] エンドサイトーシス: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%82%B9

[8] 細胞が外部から分子を取り込むメカニズムの一端を解明: http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2001/010207/

[9] 細胞外から細胞内へ分子を取り込む細胞膜陥入機構を解明: http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2007/070519/detail.html

[10] LDL受容体: http://ja.wikipedia.org/wiki/LDL%E5%8F%97%E5%AE%B9%E4%BD%93

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