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5月25日なんでや劇場レポート4 後半のメモ

◆[抗原抗体反応って、何?]

●食べたものの印を細胞膜につけるのは、なんで?
・食べるためには、細胞膜同士がくっつく必要がある。
・食べたタンパク質の一部を細胞膜に提示すると、
 同類のものがくっつきやすくなる。
・だから、食べやすくなる。
*多細胞化したのは、親和性と反発性の膜タンパク質を
 使って付かず離れずの関係をつくれたから。

・抗原=異物、バイキン
・抗体=その印(免疫グロブリン)
《抗原抗体反応》
マクロファージや樹状細胞は、抗原に感染した細胞を貪食する。
 ↓
抗原のタンパク質の一部を細胞膜表面に提示することで、
同種の抗原が近づいてくるようになり、貪食しやすくなる。
 ・
ヘルパーT細胞・B細胞に抗原提示する。
 ↓
B細胞は、抗体をつくって抗原にくっ付けていく。
 ↓
それを目指してマクロファージやキラーT細胞が
近づいてきて抗原を貪食する。
 ↓
闘いが済んで一息ついたら、
B細胞の一部はリンパ節で休眠(分裂しない状態)し、
次に同じ抗原が侵入してくることに備える。

*詳しくは、下図による。
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なんでや劇場 資料39より抜粋
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◆[抗体産生における問題性とは、何か?]
先ずは、無限の追いかけごっこになる、という問題です。
抗体の作り出す抗体は、他の細胞に比べて極めて変異度の高い存在ですが、ウィルスも変異度がそれにも増して高いという問題です。抗体が極度の変異対応をしたところで、ウィルスが新に変異すれば、戦いは無限に続くという問題です。
次いでは、抗体を作り出す過程こそが、新たなウィルスを生み出している可能性を否定できないという問題です。
B細胞は、マクロファージが提示する抗原の情報に基づき、抗原に付く抗体(タンパク質)をつくりだします。抗原と抗体は1対1で特異的に結合します。そのバリエーションは、遺伝子組み換えとランダムな塩基置き換えにより6万超えにもなり、作ってみてはチェックしてくっつくものだけを残して、残りはアポトーシスさせるようなことになります。
不適合の抗体で完全に始末できないものが残れば、それこそが新たなウィルスを生み出している可能性を否定できません。
さらには、(仮説ですが)多細胞生物の膜タンパク質は多様性が高いので、バイキンが取り付きやすいという問題です。高度に進化した多細胞生物は、体細胞が多機能化するのでウィルスのカモになってしまっています。
結核菌はマクロファージに取り付くので、いかなる体細胞にも取り付きやすくなります。免疫系の細胞に取り付くウィルス(ex.エイズウィルス)は、厄介です。これ以上にDNAレベルの変異度を上げていくのは限界で、袋小路の感さえあります。
今や、人類にとっての最大の外圧は、ウィルスです。
★次回のなんでや劇場は、6月22日です。奮って、ご参加下さい。

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