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4/29なんでや劇場レポート3 NK細胞は「変異細胞」そのもの?!

「第87回なんでや劇場」の最大の気付きは、「初期マクロファージは、体内の死細胞の処理のほか体細胞や卵子・精子への分化など多様な機能を担っている。」でした。
>初期のマクロファージは、免疫細胞というより「栄養細胞=生殖原細胞」だった! (異物を排除することでなく、栄養を蓄えることが、貪食の目的だった。)リンク [1] 
次いで提起されたのがNK細胞の登場について
>NK細胞は、大変異の過程で誕生した「変異細胞」そのものであった可能性が高い(一種のガン細胞で、たまたま適応的だった)! リンク [1] 
という認識が提起されました。
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■免疫細胞の登場と発達
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約38億 約6億    約5.5億         約4.7億 
年前   年前     年前           年前
▼     ▼       ▼            ▼
[単 細胞> [殖産分化> [有性生殖の推進> [脊椎 動物] 
(万能細胞) (多細胞化)         (神経系の発達)
・      ①初期    ・マクロファージの生体防御役割への特化
・       マクロファージ ②ナチュラルキラー(NK)細胞
・      ↑海綿動物など           ③T・B細胞
・              ↑この頃、NK細胞登場?
・              *カンブリア大爆発の多様な種の登場
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出典:なんでや劇場 資料38 より抜粋して構成

有性生殖は遺伝子のシャフルを伴いますので、変異を促進するシステムです。だからこそ、有性生殖の登場と同時にカンブリア大爆発(約5億4200万年前から5億3000万年前の間)がおこりました。それにより今日見られる動物の殆どが出揃いましたが、当然、欠陥のある異状細胞群(細菌を含む)の登場もみたでしょう。
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↑ NK細胞性白血病(肝浸潤)
T/NK細胞リンパ腫の組織診断の実際と臨床病理 [5]」よりお借りしました。
NK細胞は、1970年代初めに発見されて以来、多くの研究がなされていますが、未だにその出自が明確ではありません。NK細胞の起源を探るには、単細胞生物の調査・研究が有効ですが、単細胞生物が仲間を食べることは、極端な飢餓状態でしかあり得ないことからすると、初期マクロファージ起源とは言い切れなさそうです。
だとすると、爆発的な変異による突然変異説が浮上します。新たな事実が判明するまでは、この仮説が成立しそうです。
細胞を破壊し自壊(=アポトーシス)を促す“細胞”の登場は極めて危険な存在ですから、健全な細胞膜上の情報に基づく制御という機構を有する細胞とのみ、奇跡的な共存を可能としたということでしょうか?
★少なくとも、今日の健康ブームであっけらかんと、「NK細胞を活性化する○○」などの謳い文句に飛びつく思考は、『両刃の刃』という認識からずれているので、片手落ちといわざるをえないでしょう。
次は、脊椎動物登場以降の「T・B細胞」についてです。
   by びん

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