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4/29なんでや劇場レポート2 マクロファージの起源は・・・・・

こんにちは。arincoです。nannokiさんに引き続き、4月29日に行われたなんでや劇場のレポートをお届けいたします。第二回は、ずばり
マクロファージの起源は?
最近は美容でもこの名前が登場する事も多いのでご存知の方も多いかもしれません。
「なんでも食べれるすごいやつ!」というのが僕の劇場前のイメージだったのですが、どうやらその起源は、・・・・にあるらしいのです!
・・・が知りたい方。いつもの行いつつ続きをどうぞ!
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さて、それでは、マクロファージの起源です。
一般的にマクロファージの起源はカイメンという多細胞になりたての動物に存在している個虫アメーバであると言われています。
 この個虫アメーバ。果たして、カイメンの中でどんな役割を果たしているのでしょうか。
まずは個虫アメーバがどこにいるのか。という所から入りましょう。
 カイメンは、図のように体の一部がグニューっとへこんだ形をしており、ここで栄養を摂取しています。このへっこんだ部分の正面には、襟細胞といわれるひげのようなものが存在しています。このひげから栄養を摂取するわけですね。
 襟細胞の周辺を拡大して見てみると、襟細胞の背後に空洞が存在するのが分かります。
実は、この空洞内部に個虫アメーバが動き回っています。多細胞生物の中で細胞が独立して動くということで、個虫アメーバは多細胞の中に単細胞生物がおり、それが動き回っているというイメージですね。 
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 さて、そこでの個虫アメーバの役割は、というと、襟細胞から贈られてきた栄養を摂取したり、死細胞から栄養を摂取するという事をやっています。
 かなりマクロファージな感じが出てきました。この襟細胞と個虫アメーバは、お互い相互に変化する事ができます。
さて、驚くのはこれからです。劇場では、もっと突っ込みます。
なんと、この個虫アメーバは栄養を摂取した後、なんと生殖母細胞にもなるのです!カイメンは、有性生殖を行いますが、オスとメスに分かれておらず、雌雄同体なので、卵子の元になっているという事です!
 つまり
襟細胞⇔個虫アメーバ→生殖母細胞→精子、卵子
という事になっているのです。
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要するに、
個虫アメーバは、生殖も担っていた栄養細胞だった
という事ですね。
そして後に役割分化が進み、生殖細胞が特化していくにつれ、栄養摂取機能を残したのが、体内のお掃除屋等と評されるマクロファージだったのです。
 免疫と言うと、いつのまにか免疫ばかりに目がいってしまいますが、あくまでも最初は生物最大の課題である「生殖」をどうする?という外圧に適応するのが先。というわけですね。生物進化における幹は、「種の保存」という事を改めて思い知りました。
 次回は、NK細胞の起源です。お楽しみに!

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