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細菌を認識する膜タンパク

次回のなんでや劇場 [1]のテーマが
「免疫細胞の認識機能~知られざる膜タンパクの仕組み~」なので、
膜タンパク免疫の仕組みを調べてみました。
でも膜タンパクって、いろんな種類があったり、認識できる物質が少しずつ違ったりして、
とても複雑 🙁 です!!
今日は、探索する中で見つけた、膜タンパクの認識の仕組みを一つご紹介します。
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PGRP-LCという膜タンパクが、細菌を認識している
数ある膜タンパクの中に、PGRP-LCという名前のものがあるそうです。
PGRP(ペプチドグリカン認識タンパク質)とは、細菌の細胞壁を構成する「ペプチドグリカン」という物質を認識する働きをしています。
このタンパク質が感染源である細菌の成分をキャッチすることにより、細胞の免疫システムが動き出します。
そう、免疫系の最初のステップを担う重要なタンパク質なのだそうです。
ところでこのこのタンパク質にはよく似た3つの形があることが知られていました。
3つのタンパク質には、a型、x型、y型という名前がついていますが、
それぞれ少しずつ違いがあります。
ペプチドグリカンの認識方法が違うのです。
例えば、、、、、
単量体ペプチドグリカンはx型には結合できます。でも、a型には結合できません。
単量体ペプチドグリカンがx型に結合すると、a型はこの複合体に結合することができます。
ね、ちょっとややこしいでしょ。
一体なぜこんな複雑なことが起こっているのでしょう?
研究者の考えを見てみると、この膜タンパクの進化の過程が分かっておもしろいです。
もともとは、1種類の膜タンパクで、1種類の感染源(ペプチドグリカン)を捕まえていたのでしょう。
でも、このような簡単なシステムでは、
さまざまな状況で襲ってくる感染源にうまく対応できなかったのかもしれません。
そこで、役割分担を始めました。
x型は本来の見張り番の役割で、ペプチドグリカンを見つけては捕まえます。
a型は自分でペプチドグリカンを見つけるのをやめて、
x型が捕まえたペプチドグリカンがどのような形態をしているのか確かめる役割に専念しました。
こうすれば、より効率良く、より正確に、感染源をキャッチできるシステムになるでしょう。
ちなみに、
多量体ペプチドグリカンは、a型の助けを借りずに、
x型だけで認識できることがわかっています。
この仕組みだと、多量体のペプチドグリカンを見つけた時と、
単量体のペプチドグリカンを見つけた時に、防御する戦略を変えることもできますね。
自然免疫系では限られた種類のタンパク質で多くの感染源と闘う必要があるため、
このような複雑な防御システムを獲得し、
より的確に「感染」に対して対応できるようになった生物が生き残って、
今の生物になっているのではないでしょうか。
(以上、このサイト [5]から抜粋・要約でした。)

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