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認識機能の進化過程って、どうなってるの?

生物史における「認識機能の進化過程」について考えてみたいと思います 🙄

ひとくちに認識機能といっても、切り口はさまざまありますが、ここではひとまず「“対象”を認めそれと知るはたらき」としておきます。

例えば、外部環境からの刺激の認識エサや外敵の認識同類認識(同じ種であることを認識)、差異・個別認識(同じ種の個体差異の認識)などなどです。

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外部環境からの刺激としては、光、重力、水流、風、温度、湿度、PH、物質、電気、接触・・・・などがありますが、原始的な生物でもこれらの外圧変化を認識し応答行動をとる事例がたくさんあります。
(外部からの刺激に対して一定の方向に運動する行動を『走性』と呼ぶ。刺激に近づく場合を正の走性といい、刺激から遠ざかる場合を負の走性という)

例えば・・・
・ミドリムシの正の走光性:部分的に光で遮った容器にミドリムシを入れておくと、光に集まってくる。
・ハエ幼虫の負の走光性:ハエの幼虫(ウジ)は、光受容器のある頭部を振りながら移動し、より暗い方向に体軸を回転する。
・プラナリアの負の走光性:プラナリアは、明るい場所では頻繁に方向を変え、暗い場所では動きが遅くなる。結果として、暗い場所に集まる。
・ダンゴムシの正の湿度走性:ダンゴムシは、乾燥した場所に比べ、湿った場所での活動が不活発になる。結果として、湿った場所に落ち着く。
・大腸菌の正の温度走性(走熱性)・走化性:大腸菌は自分の生育した環境の温度を覚えることなく、より温度の高い領域に移動しようとする。また、アミノ酸や糖の濃度が高い方に移動しようとし、金属イオンなどから遠ざかろうとする。

※詳しくはコチラ
生物の認識機能 ~外部環境からの刺激って何?~ [4] 

進化史的に見れば、認識機能の原点はおそらく「生体膜」(細胞膜)の選択透過性にあると考えられます。あるいは、分子集合体のエネルギー産生系に、最初の認識機能である生体膜を与えたものが生命の誕生であったともいえます。
単細胞生物の場合は、ただ一つの細胞なので、外部環境からの刺激(外圧)を捉える受容も応答も同じ細胞で行われます。
そして原核単細胞生物から真核単細胞生物への進化に至ると、細胞内小器官の役割分化、細胞内膜系の獲得とともに受容と応答のしくみも一段高度化していると推測できます。
さらに多細胞生物では、受容と応答を様々な細胞が役割分担し、さらにその間に情報伝達物質(ニューロンなど)を発達させることで、認識機能を高度化していきます。

つまり、原核単細胞生物⇒真核単細胞生物⇒多細胞生物⇒脊椎動物(⇒サル⇒人類)、それぞれの段階で、認識機能の大きな進化が起こっていると考えられます。

つづいてのエントリーでは、それぞれの進化段階において、
・生体膜、膜物質の進化はどうなっているか?
・同類認識、差異・個別認識はどのようにおこなわれているか?
・感覚機能(受容器)と運動機能(効果器)の進化はどのようになっているか?
・伝達・反応系の進化はどのようになっているか?
といった切り口で見ていきます

(そして、認識機能の進化過程はどのようなベクトルをもっているといえるのか? そのような進化を促進した外圧は何? といった問題を考えてみたいと思います

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