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掃除屋マクロファージ

こんにちは。 😀
3/22のエントリー「マクロファージ 美容業界で大活躍!」 [1]は女性陣の反応が大きかったみたいですね。
今回はその「マクロファージ」について基本的な所から押えていきたいと思います!
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(図はコチラ [3]よりお借りしました)
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■マクロファージとは?
マクロファージとは白血球の一種です。
名前の由来は、マクロ(Macro)=大きい、ファージ(PHage)=食べるもの
その名のとおり大型サイズの細胞で、細菌、感染細胞、ほこりまでガツガツと貪り食うようにして細胞内に取り込むので「貪食細胞(どんしょくさいぼう)」 「大食細胞」 :blush: とも呼ばれます。
■マクロファージはどこにいるの?
 マクロファージは血中では「単球」として存在します。
血管の外にでると「アメーバ状」になり、細胞と細胞の間に存在しています。
ちなみに
 肺に存在するもの →肺胞マクロファージ
 肝臓に存在するもの→クッパー細胞
 脳に存在するもの →グリア細胞と呼ばれます。
マクロファージは体のいたるところに分布してるんですね。
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「体のいたるところで活躍するマクロファージ」(図はコチラ [7]よりお借りしました)
■マクロファージの食作用
食作用とは、死んだ細胞やバクテリアの様な大きな対象を細胞が取り込む過程のことを言います。
大きな小胞に対象を封じ込め、そのままリソソームと合体し、物質を加水分解酵素により消化。消化後は細胞質に放出されます。
白血球のうち、マクロファージの他、好中球も特にこの食作用が発達しています。
この食作用が、体内に侵入した細菌などの病原微生物を排除するための生体防御機構として重要な役割を果たしているのですね。
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「マクロファージの食作用」(図はコチラ [9]よりお借りしました)
■死細胞の掃除屋
 また、マクロファージは、死亡又は破損した細胞を食作用によって分解します。
例えば、血小板によってできた血液凝固物はマクロファージが貪食して処理し治癒します。
また、顆粒球が引き起こした化膿性の炎症は、外に排泄するか、組織内で排泄できない場合はやはりマクロファージがきて貪食により吸収してしまいます。
3/22で紹介した「しみ治療」もこの働きによるものなんですね。
マクロファージは「免疫システム」の重要な一端を担った細胞として認識されることが多いですが生体の恒常性維持という重要な役割を担っていることがわかります
ところで、マクロファージはどうやって食べる対象(病原体、死細胞、破損細胞)を認識しているのでしょうか?
これについては、後のエントリーで迫ってみたいと思います。
■病原体の見張り役
もう一度、免疫細胞としてのマクロファージの役目に注目してみましょう。
 感染の初期には、侵入した細菌やウイルスによる感染細胞を好中球やマクロファージが貪食することによって、病原体が排除されます。ここでマクロファージは、食作用により細胞内で分解した異物の断片を細胞表面に提示(抗原提示)します。それをヘルパーT細胞が認識することによって、その抗原(異物断片)に特異的な抗体の産生が促進されるという、抗原提示細胞としての役割を担っています。
つまり、マクロファージが最前線の見張り役となって、仲間(T細胞)に敵(病原体)の襲来を知らせ、援軍(リンパ系の免疫細胞)に戦闘体制を整えるようにしてるのですね。
こうすることで、感染初期だけでなく、もっと多くの病原体が侵入したときにも対処可能になるのです。
いやぁ、見事な連係プレー ですね。
次回は獲得免疫についてお送りします。

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