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免疫って何?

なんで屋劇場の生物シリーズは3月から免疫機能に入りました。なかなか難しい分野ですが、まずは誰にでも分かる免疫って何?と言ったところからはじめてみます。簡単に言ってしまえば異物の進入から体を守っているシステムです。
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この画像は日本免疫学会の免疫学Q&A [1]免疫細胞はどのように動き回るのか? [2]からお借りしました。
免疫はどのようなシステムで体を守っているのでしょうか。興味のある方は応援お願いします。
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免疫の第一段階は、生体防御です。皮膚、眉毛、鼻毛、まつげや粘膜(気管支・消化器官・鼻・口・のど・膀胱・尿道など)、唾液、鼻水、涙などの分泌液が、異物の侵入を防いでいます。吸気に混じって侵入した微生物を気道の繊毛が殺菌し、感染から防衛しています。くしゃみや咳は異物を外に追い出しているのです。汗や尿は異物を外に流し出します。分泌液や粘液に「殺菌物質リゾチーム」が含まれています。また、胃で分泌される酸も食物中の細菌を殺菌します。
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以上、健康情報、免疫力を高めよう [6]より
第2段階が免疫細胞などにより、胎内に侵入した異物を排除する免疫機構です。一般的に免疫と言えばこの第2段階の事を指します。この免疫の主役は白血球といわれる細胞たちで、様々な種類があります。
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この画像は日本免疫学会の免疫学Q&A [1]免疫細胞はどこで、どんな細胞からつくられるの [7]からお借りしました。
上の図の、顆粒球から下が白血球と言われる免疫細胞たちです。免疫細胞はさらに自然免疫と、獲得免疫の二つに分かれます。自然免疫はもともと自然の状態で備わっている免疫機能です。それに対して獲得免疫は、後天的に獲得する免疫機能です。
自然免疫は上の図の、顆粒球、マクロファージ、樹上細胞の3つで、体内に入ってきた最近などの遺物を食べて消化してしまいます。
体に異物が入ってきたときに真っ先に駆けつけるのが顆粒球で、異物を処理した後に自爆して膿となります。マクロファージは顆粒球より後で登場し殺菌能力も顆粒球より劣りますが、異物を分解した後、その分解産物を抗原としてT細胞に提示する抗原提示能力を有しています。また、マクロファージは異物だけではなく死んだ細胞も処理します。樹上細胞は殺菌能力はさらに弱く主に異物の進入をT細胞に伝える役割を果たしています。
獲得免疫は、自然免疫の防御も突破した異物に対して働きます。異物が進入すると病原体を認識し、病原体にあった抗体などをつくって攻撃します。B細胞は病原体にあわせた抗体をつくる細胞で、一度戦った相手を記憶し、次からはすばやく抗体を出します。
T細胞には、酵素のミサイルで感染した細胞を攻撃するキラーT細胞と、攻撃を指令するヘルパーT細胞、攻撃の中止を命令するサプレッサーT細胞があります。
上の図にはありませんが、自然免疫と獲得免疫の両方の機能を持っているのがナチュラルキラー細胞です。ナチュラルキラー細胞は日常的に体内を巡回しながら異物やがん細胞を発見すると独自に攻撃しますし、ウイルスや強力な最近が繁殖したときはヘルパーT細胞の指示により感染細胞を攻撃します。
免疫細胞はどこでつくられるのでしょうか。造血幹細胞は胎児のときは肝臓に、生まれてからは骨髄にあります。顆粒球とB細胞は、赤血球や血小板と同じように、造血幹細胞のいる臓器でつくられます。つまり、胎児期は肝臓で、生まれてからは骨髄でつくられます。一方、T細胞だけは胎児期も、生まれてからも胸腺という臓器でつくられます。胸腺というのはT細胞をつくるためだけにあるといってよい臓器で、「腺」という名前がついていますが、ホルモンの分泌を行う臓器ではありません。胸腺は心臓の少し上にあって、ヒトの場合は子供の頃に一番大きくなり、思春期以後年齢とともに小さくなっていきます。(日本免疫学会の免疫学Q&A [1]免疫細胞はどこで、どんな細胞からつくられるの [7]より引用)
T細胞は胸腺(Thymus)でつくられることから頭文字をとってT細胞と呼ばれています。B細胞は骨髄(Bone marrow)の頭文字を取っています。
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この画像は日本免疫学会の免疫学Q&A [1]免疫細胞はどこで、どんな細胞からつくられるの [7]からお借りしました。

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