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変異するニューロンと膨大なネットワークが無限の思考=観念機能を作り出す!?

今日は神経系の主役、神経細胞=ニューロンの秘密に迫ります。
神経細胞は動物にしか存在しません。ニューロンのネットワークは情報伝達をはじめ、記憶や感情そして人類の観念機能を作り出しています。
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イラストは「理化学研究所 脳科学総合研究センター」よりお借りしました [1]

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1.ニューロンとは何か?
ニューロン=神経細胞は細胞の一種ですから他の細胞と同様、細胞膜に包まれ、核、ミトコンドリア、リソソームなどの細胞小器官を持っています。

 神経細胞はその他に情報処理装置としての特徴を備えています。形から見た特徴は、情報を受け取る突起(樹状突起)と情報を送り出す突起(軸索)を持つ点です。樹状突起はしばしば細胞体から複数出てさらに枝分かれしています。一方、軸索は細胞体から出るときは1本で、細胞から出た後で側枝(軸索側枝)を出します。軸索の末端付近ではさらに多くの枝分かれ(終末側枝)があります。神経細胞の軸索は、神経線維とも呼ばれます。
京都大学霊長類研究所 [5]

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ニューロンは筋細胞と同様、成人では細胞の再生を行いません。ニューロンは成人になってもネットワークを構築するために軸策を延ばし、その結果1m近い長さになるものもあります。
しかし、成体でも新生するニューロンがあるようです。

オトナのサルの大脳新皮質には新生神経細胞はほとんど見つからないのですが、嗅覚に関係した嗅球や進化的に古い大脳皮質にあたる海馬ではオトナのサルでも神経細胞の新生が見られます。嗅球や海馬における神経細胞新生の役割については現時点では信頼できる証拠は見つかっていません。しかし、嗅覚の受容細胞である嗅細胞の寿命は約1ヶ月で、新生細胞と頻繁に入れ替わっていることが知られており、また、嗅覚と同様に化学受容である味覚の味細胞も約10日の寿命で新生細胞と入れ替わることが知られています。
これらの事実は、神経細胞新生がほぼ無限に存在する化学物質の受容への対応と関係している可能性を示しているかもしれません。一方、海馬は長期記憶が固定化するプロセスに関係しますが、認知過程の情報処理や記憶やその再生には直接関係していないと考えられています。この点で、海馬は認知や記憶を直接担う大脳新皮質とは違っている可能性があります。
京都大学霊長類研究所 [6]

2.ニューロンネットワークはどのように形成されるか
大脳には数百億もの神経細胞があり、それぞれ平均数万個のシナプスを持っている。つまり、数千~数百兆のネットワークが築かれるのです。
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ニューロンが相互に結合してネットワークを作り、その中で情報をやり取りすることにより、情報を処理しています。
細胞体から出た軸索は,数百以上の枝分れをして他のニューロンの樹上突起や細胞体の表面に接触してシナプスと呼ばれる構造をつくります。情報は細胞体から軸索を通って電気信号として送られてきます。電気信号がシナプス部位まで到達すると、この電気信号により、シナプス小胞にあるアセチールコリンやドーパミンと呼ばれる様々な化学物質(神経伝達物質)が放出されます。
理化学研究所 [7]

以上を踏まえて、ここからは私の仮説です。
ミクログリアのように免疫的な働きをするグリア細胞の一種が、DNAの組み替え情報を海馬や嗅覚ニューロンの新生時に渡していたとしたらどうでしょう。
無限に存在する化学物質を察知するために、味覚や嗅覚細胞の変異を促し、同様に、そこから伝達される信号を認知し短期記憶化するために海馬も変異する。
その結果を、数百~千兆に及ぶ膨大なネットワークで固定化=長期記憶化するのが大脳新皮質である。
・人類はその機能を感覚刺激だけでなく、概念化や論理化など観念機能に応用した。海馬のニューロンが無限の変異を起こすことで、無限の認識追求や創造が可能になった。

いかがでしょうか?

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