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神経系の構造と機能

初心忘るべからず!という訳で、今日は、基本中の基本。
神経系の構造と機能についておさらいします。
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神経系を大きく分類すると、下記のようになります。
神経系の区分
   中枢神経 脳      大脳・間脳・中脳・小脳・橋・延髄
          脊髄     頸髄・胸髄・腰髄・仙髄
   末梢神経 体性神経  運動神経
                  感覚神経
          自律神経  交感神経 
                  副交感神経
中枢神経系の組織は、神経組織と呼ばれ、実際に情報の伝達を行うニューロン
(神経細胞)と、その働きをサポートするグリア細胞・オリゴデンドロサイトなどから
構成されまず。
脳はニューロン(神経細胞)とグリア細胞が多数集まって作られています。
脊椎動物の中枢神経系は、大きく脳と脊髄に分けられます。
ほんじゃあ、末梢神経は?
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末梢神経はどのような信号を伝えるかによって体性神経系と自律神経系に分けられます。
体性神経系は、受容器から知覚情報を受け取ったり、運動指令を伝達したりして、
外部環境と作用している神経系で、次の2系統に分けられます。
求心性神経(感覚神経) – 知覚の信号を受容器から中枢神経系へ伝える。
遠心性神経(運動神経) – 運動の信号を中枢神経系から作動体へ伝える。
例えば、カユイ!と感じるのは感覚神経、それを受けて実際にボリボリ掻くのは
運動神経の役割です。
対して自律神経系は、 心拍、呼吸、分泌の調節など、内部環境の調整を
行っている神経系です。
交感神経系は、 
主に「闘うか逃げるか」といった緊急事態への準備をさせる。
交感神経系が優位であると、ノルアドレナリンが神経系の末端から分泌され、
心拍数や呼吸数の上昇や消化活動の抑制などが見られる。
異化作用(エネルギーを動員する準備をする)をもち、拡散的・持続的である。
副交感神経系は、 
リラックス時や普段にエネルギーを蓄える。
副交感神経系が優位であると、アセチルコリンが神経系の末端から分泌され、
心拍数や呼吸数の低下や消化活動の促進などが見られる。
同化作用(エネルギーを蓄える)をもち、局所的・短期的である。
自律神経系  瞳孔 呼吸 心臓の拍動 末梢血管 立毛筋 消化活動 血糖値
交感神経系  拡大 促進   促進     収縮   収縮   抑制   上昇
副交感神経  縮小 抑制   抑制   分布せず 分布せず 促進   低下
多くの臓器は交感神経系と副交感神経系の二重支配を受けており、
その作用は拮抗的です。
以上が、神経系全般のおさらいです。
さて、
神経細胞には、軸索(情報を送り出すケーブルのようなもの)
のまわりに髄鞘をもつ有髄神経と、髄鞘をもたない無髄神経があります。
模式的に言えば、軸索=ケーブルのまわりにソーセージ状の
もの=髄鞘が巻きついているのが有髄神経、ないのが無髄神経です。
有髄神経は、運動神経、そして中枢神経系(特に大脳皮質、海馬)に多いとされ
自律神経系では、無髄神経が支配的であるとされています。
これは、情報を早く伝達させる必要があるかどうか、伝達情報の緊急性によって
区分されます。有髄神経は跳躍伝導と呼ばれ、無髄神経に比べて
伝達速度が大きい、また、軸索が太いほど伝導速度は大きくなります。
分類 直径(マイクロメートル) 有髄 速度(m/秒)   機能
Aα  12-20          +   70-120   運動神経
Aβ   5-12          +   30-70    触覚、圧覚
Aγ   3-6           +  15-30    筋紡錘に関する
Aδ  2-5           +  12-30    痛覚、触覚
B    <3            +   3-15    自律神経
C   0.4-1.2        -   0.5-2   痛覚、反射、嗅覚
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E7%B4%B0%E8%83%9E [4]
http://www.oak.dti.ne.jp/~xkana/psycho/intro/intro_39/index.html [5]
ソーセージ状の髄鞘を構成するグリア細胞については、
お次のかた、どーぞ!!
うらら

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