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3胚葉生物 ナマコ・ウニ・ヒトデ

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前回の2胚葉生物クラゲ [1]に引き続いて、初期3胚葉生物の紹介です 😀
私達人間も外胚葉・内胚葉・中胚葉の3胚葉生物です。初期3胚葉生物で有名なのが、上記の棘皮動物であるナマコ、ウニ、ヒトデ。
でも、写真を見ても全く形が違いますよね~
しかしその内部を見ていけば・・・・・いろいろ共通点があるんです 😉
では、初期3胚葉生物(棘皮動物)は、どんな体細胞を作ったのか?
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●まず、体細胞進化の大きな特徴
①内胚葉が発生、運動器が形成され、生殖細胞も中胚葉からの発生に固定される。
②内胚葉では、呼吸器が形成される。
③外胚葉・内胚葉の各機器が進化。
  具体的には、神経系が2胚葉の頃の散在神経から集中神経へと進化。
  消化器に肛門が存在し、出入り口分化が行われた。
●胚葉毎に機能を整理すると(赤字は新しく出来た機能)
・外胚葉→神経(環状神経)、感覚器(眼点、触手)
・内胚葉→口~腸~肛門(ヒトデには胃ができる)、呼吸器(水管・呼吸樹
・中胚葉→運動器(管足、筋肉、骨片)管足は、水管とつながり呼吸器の役割も担う。
       循環器(血管
       生殖器(精巣、卵巣)
       内分泌器(幼体から成体への変体ホルモンを分泌)
棘皮動物の体細胞の働きを見ていきましょう。
●5放射の体
ナマコとヒトデを見るとずいぶんと形は違いますよね~。しかし内部の構造を見ると、ナマコもウニもヒトデと同じように5放射相称なんです。全放射に見えるウニも詳細に見ていくと5放射なんですね
海綿段階では全放射でしたが、初期3胚葉生物で5放射相称へ至っています。
5放射になったことで、運動機能をアップさせたと思われます。
●外圧に応じて外皮を動かす
外胚葉である皮膚は筋肉となり柔らかくも硬くもなり、状況に応じ体を変化させて防衛を行っています。ウニでは、その表皮に棘を作り根本の筋肉で自由に棘を動かし防衛を行います。外皮の内部に作った骨片や骨板も、筋肉と共に内骨格を形成し、外圧に応じた体の硬直や柔らかさをつくりだしています。
骨片や筋肉の発達により、防衛機能を進化させています。
●環状+5放射の神経を作る。神経に平行して血管・水管を作る。
神経や血管は、口の周りに環状に発達し、そこから幹のように5放射状に体内に至っています。この経路は水管とも平行して伸びており、おそらく機能が分化し神経・血管・水管をつくりだしたのでは?と考えられます。
今までとは複雑な運動と防衛を行うために(まだまだ動きは遅いですが)、神経・血管・水管を進化させています。
●水を体内に入れて動く
運動機能は、上記の筋肉・骨板等の他に、この水管と管足の機能が大きな役割を担います。棘皮動物は、肛門の周辺に多孔板と呼ばれる孔を持ち、そこから体内に海水を入れます。この海水は、体内の水管を通り、ほぼ体表全面にある管足に至り、この水管の水圧を調整し、管足を伸縮させゆっくりと動きます 🙄 。筋肉で歩くのではないんですね。例えばウニであれば、棘の間に管足があり、棘より長くなり管足で歩いたり岩陰に隠れたりします。また、この管足が触手にも変化しています。
ヒトデをひっくり返すと、5放射の中央に溝があり、その中にぶつぶつしたものが見えますが、あれがヒトデの管足です。
動くのが遅いと思っていたら、このような仕組みなんですね 😛
●体内に入れた水から呼吸をする
この水管は、呼吸器の役割も担っています。多孔板から取り込んだ海水を水管で体内に廻し、細胞へ酸素を供給します。
●棘皮動物のまとめ
棘皮動物の大きな特徴は、筋肉と一体化した骨片・骨板と水管・管足・環状神経です。水管は、その後の呼吸器へと進化し、管足は触手から感覚機能へと進化したと思われます。
他種からの外圧上昇により防衛機能を特に進化させ、海水を取り込んで海底をゆっくりと移動することにより、捕食能力を上げていったのが特徴です。

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