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近代医療への疑問~免疫学からのアプローチ

最近は免疫の不思議について調べているのですが、免疫はアレルギーや癌といった現代病との関わりが深く、インターネット上にもいろんな情報があふれています。その中には、ヨーグルトの乳酸菌が免疫力を高めるetcの目先的な情報も多いのですが、真剣に免疫と向き合う中で「近代医療は本当に役にたっているのか」という疑問にぶつかったブロガーも多くおられます。今日は免疫学の観点から近代医療に疑問を呈している3先生の意見を紹介したいと思います。
まずは、最近注目を集めている「腸内細菌」と「免疫」の関係を掘り下げた上野川教授による「免疫と腸内細菌」。要約が「極東ブログ」さんに書かれています。
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2003/09/post_25.html [1]


注目点は以下。
腸内有害菌は有益
ちまたの健康常識では善玉菌と悪玉菌といったゾロアスター教説が多いが、単純にそういう区分はできないようで、悪玉菌と呼ばれている有害菌は免疫の発現に関与しているらしい。
結核菌がアレルギーを抑制する
20世紀の医療というのは基本的に結核との戦いであり、このこの歴史の真相は通常は抗生物質の勝利とされているが、実態は栄養状況にある。いずれにせよ、医学は結核撲滅で終わったのだが、その時点で成立した医療行政は変わらない。

無菌社会がアレルギーのもと、といわれるが、結核とアレルギーが逆比例関係にあるとは、これまた驚きである。それでは一体、近代医学は何をしてきたんだとの感想を持つのも当然であろう。上記は「極東ブログ」さんの読後の感想であるが、私自身、「免疫と腸内細菌」を読んでみて、同じような感想を持った。
上野川教授とは視点こそ違うものの既成の免疫学に疑問を呈しているのが、西原克成教授である。西原教授はスポック博士の育児批判で有名だが、スポック流の育児は鼻呼吸をできなくさせ、免疫力低下にもつながっているのだと批判する。以下は人間学を学ぶブログ 「こころは超臨界」からの引用です。
http://blog.goo.ne.jp/chorinkai/e/5fe91bbcf6fba671d38d0b71e9128600 [2]
西原克成さんは、口呼吸をしていると、体を外敵から守ってくれている扁桃腺(へんとうせん)などの免疫系が直にダメージを受け、免疫病に対する抵抗力が著しく落ちる、という。
口呼吸は、まるでアレルギーマーチ(皮膚炎、喘息、小児リウマチ、心筋症、腎疾患、血液疾患、多動症、自閉症、てんかん等がマーチのように次々と起こること)を助長するブラスバンドなのだ。
原因は、「スポック博士の育児書」に従って5か月からスプーンで離乳食を与える
ことにある。離乳食の摂取が、おしゃぶりをはずす時期を早め、おしゃぶりによる噛む力と鼻呼吸のトレーニングが省略される結果である。

母乳が免疫力の原点という話は、過去にもエントリーされていましたが、離乳食の摂取の早期化が鼻呼吸をできなくさせ、免疫力の低下にまでつながっているとは驚きでした。(そういえば、小さいころクチをぽかーんとさせていると、よく怒られたものですが、最近は電車の中でクチぽかーんの人が多いこと多いこと・・・)
尚、西原教授の、ダーウィン進化論批判「生物は重力が進化させた」脳中心主義批判「内臓が生みだす心」も、要注目です。ブログでは「変身のための起源論」さんが扱っておられます。
http://yumiki.cocolog-nifty.com/station/2004/10/dnavs.html [3]
最後に、もう一人、免疫といえば安保教授でしょう。ずばり「医療が病いをつくる ~免疫からの警鐘」
「心に青雲」ブログさんからの引用です。http://210.165.9.64/hienkouhou/e/5828bffe266ecb9dedd1d00b0390689e [4]
「抗生物質や抗がん剤に加えて、消炎鎮痛剤、ステロイドホルモン、血圧降下剤、精神安定剤など多くの薬剤の開発競争が続いている。
 薬の開発は主に化学や薬学の純粋なサイエンスの力でなされるので、医学の進歩より薬の進歩のほうがはるかに早い。例えば化学物質は基本構造を一定にしたままで側鎖を変えると作用が変化するので、研究所などで大々的な開発が進められている。
 開発された薬は対症療法の大きな力となり使われ続ける。細菌感染症に対して使用されるより感受性の高い抗生物質、高血圧症の人の血圧を下げる降圧剤、悩める人の心を安定させようとして処方される向精神薬、…。このようにして対症療法がとめどもなく進歩してゆく。」
 「このように薬剤が進歩すればするほど対症療法の力が増し、原因を無視した治療に磨きがかかる。現代医療が破綻し始めている理由の一つは、薬の進歩に「病気の本質を知る」考えが追いついていないことにある。今日の日本の医療は誰も悪い人はいないのに、医療内容が確実に悪化してゆく危険性を孕んでいるのである」
 安保氏はこんな事例を紹介している。腰痛や肩こりに悩まされた患者が病院に行くと、医者はレントゲンを撮って、頸椎や腰椎に変形があると診てとり、その変形が痛みの原因だと診断して、痛み止めの薬(貼り薬など)を処方する。ところがこういう薬をまじめに飲んだり貼ったりした人ほど病気が悪化する例が極めて多いそうだ。「実際、大病院の薬局に行くと痛み止めの貼り薬の空き箱が山のように積まれている」。どうして痛み止めが症状を悪化させるかといえば血流を抑制するからだというが、くわしい説明は安保氏の本を読んでいただくとして、これは事実であろう。

医療が病気をつくりだしている・・・医原病の増大は、生命の摂理を知ろうとせず、ただただ対処療法に邁進してきた結果なのですね。安全や安心の時代を切り開くためにも「自然の摂理を学ぶ」ことは極めて重要なことですね。

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