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羊膜が陸上での繁殖を可能にした

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こんにちは 😀
今日のエントリーは「羊膜」に注目します。
一般的に、両生類と爬虫類以降の四肢動物との最大の違いは「羊膜」の出現と言われています。
この「羊膜」が乾燥した陸上での繁殖を可能にしました。
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■有羊膜類とは 
 有羊膜類は「羊膜」と呼ばれる膜で胎児を完全にくるみ込むタイプの生き物です。
 現在のすべてのは虫類、鳥類、そしてほ乳類も有羊膜類に属しています。
 この「羊膜」とは、胚を包み込む「胚膜」の一種ですが。
 胚(細胞分裂をする元の形)ができると、外胚葉と中胚葉の両方から膜が広がり、やがて胚を二重に包み込みます。この外側が「漿膜」、内側が「羊膜」です。
図で、その構造を確認してみましょう。
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■羊膜の構造
 羊膜の内側には羊水が満たされ、これが胎児を衝撃と乾燥から守ります。
また胚からも「尿膜」と呼ばれる膜が伸び、これが漿膜と羊膜の間に入り込んで、外界とガス交換(呼吸)などをおこないます。
 魚類や両生類といった羊膜を形成しない脊椎動物の胚は、外界の水が胚の周囲を循環することで胚の排泄する排泄物の除去やガス交換を行い、発生の行われる空間の環境を維持しています。
 一方、有羊膜類の胚は羊膜腔に保持され、pHや浸透圧などの諸性質の変動を一定に抑えた(ホメオスタシス)された羊水をつくりだすことで、発生プロセスにおいて外界の環境変動から胚を保護することが、より容易になったのです。
参考:「羊水」(ウキペディア) [6]
■有羊膜類の起源と地球環境
 デボン紀後期に最初の両生類が現れ、石炭紀(3億6000万年~2億9000万年前)前期に、両生類が陸性脊椎動物として初めての適応放散を開始します。一方、ほぼ同時期に最初の有羊膜類も出現してます。
 石炭紀には低い陸地しかなく、地球全体が地形的・気候的にも均一で、高緯度まで熱帯的な環境が広がり、至る所に沼沢が存在していた。こうした環境の下で両生類の大規模な適応放散が起こり、陸上動物相のほとんどを両生類で占めることとなりました。
 次のペルム紀に入ると大陸地域が隆起を始め、石炭紀の一様性に代わって多様な気候条件と生活環境が出現し、こうした変化に富む環境条件の中で有羊膜類が急速に適応放散し勢力を伸ばして行きます。
 我々の先祖は、カメや双弓類が分岐する以前に有羊膜類の基部から分岐しており、進化の極初期の段階で他の爬虫類と分かれていた様です。

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