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タンパク質って何??

こんばんは、hadouです。 😀
「NEWTON」の2月号で「タンパク質のふしぎ」という特集が組まれていましたね。おもしろい内容がいくつかあったので一部を引用しながら紹介します。
タンパク質は人間の身体を構成する主要な物質で、タンパク質を意味する英語「protein」の由来は「第一のもの」という意味のギリシア語にあるようです。「第一のもの」というほどに生物にとって重要なものである、ということですね。
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そもそもタンパク質って何??
タンパク質とは、(人体では)20種類のアミノ酸の組み合わせが「ひも」のように一列につながったものです。そして、この「ひも」が複雑に折れ曲がってできています。だから模式図ではカタチをよりわかりやすく表現するために下の図のようにリボンで描かれることも多いようです。
 
fig2_jpg.jpg
画像はコチラ [4]からお借りしました
 
ちなみにアミノ酸とは(一部のものを除き)、炭素・窒素・酸素・水素でできています。で、このアミノ酸は側鎖と呼ばれる部分が種類毎に異なっています。そしてその側鎖の性質(電荷、水へのなじみやすさetc.)がアミノ酸→タンパク質の性質にも大きく関係しています。(下図参照)
 
protein1.jpg
画像はコチラ [5]からお借りしました
 
タンパク質のカタチ
一口にタンパク質とは言っても、それぞれの役割に応じてボール、チューブ、ロープ、モーターなど、たくさんのカタチが存在します。(今まで解明されているものだけでも4万種類以上!のカタチが存在するらしいです。。。)
今回はその中で特徴的なものをいくつか紹介します。
 
・皮膚
ご存知の方も多いかもしれませんが、皮膚は「コラーゲン」などのタンパク質によって作られています。コラーゲンはアミノ酸のひもが3本よじれて、「3重らせん」の細長いカタチをしています。そしてそうした細長い糸のようなものがより集まって繊維をつくり、他のタンパク質繊維と合わさって網の目の構造を作ることで布のような状態になっています。だから皮膚は押してもつねってもすぐに元に戻るような弾力を持ち得ているのです。
 
・消化酵素
消化酵素のタンパク質には、くぼんだポケットのようなものがあり、その部分が活性部位=分解する部分になっています。そしてこの活性部位は、消化酵素毎に鍵と鍵穴のように必ず相手が決まっていて、別の物質が活性部位にくっついても分解されることはありません。
 
タンパク質のカタチが決まるまで
上記の様々なカタチは全てアミノ酸の「ひも」が折りたたまれて生まれています。
アミノ酸のひもははじめ、伸びた状態でランダムに動いています。その状態から折りたたまれる際には試行錯誤を繰り返し、時には一度できたカタチを壊しながら、カタチをつくり易い部分から折りたたまれていきます。人体には正しく折りたたまれなかったタンパク質を折りたたみ直す仕組みもあるようです。
しかし、どのように折りたたまれるのかを予測することは少なくとも現時点ではできていません。当然、タンパク質のアミノ酸の配列はゲノムの中にDNAの「文字」の配列として蓄えられていますが、配列が決まっていてもそこからでき得るカタチのパターンは無数に存在し、どのような要因によってその形が決まっているのかが解明されていません。
 
 
1958年にフランシス・クリック博士によって提唱された「タンパク質のカタチは、DNAの情報によって決まる」というセントラルドグマ(中心原理)は現在でも基本的には生物学の根幹であり続けています。しかし、このセントラルドグマもかなり揺らぎ始めており、このセントラルドグマに則った理論によってカタチの解明が可能なのかについては現時点でははっきりとはわかりません。
しかし、少なくとも、近年の新しい発見や、全ての生物は常に外圧に適応するために進化し続けてきた外圧適応態であるという事実から考えると、DNAだけに注目した解明ではなく、セントラルドグマに縛られない思考が必要になっているのではないでしょうか。

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