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免疫系の進化①

こんにちわ。arincoです。今回は勉強仲間との免疫進化の連作です。
細菌から僕たちヒトに至るまで免疫も様々に進化しています。①ではその系統樹を紹介します。
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まずは免疫進化の基本事項をざっと説明します。 
 免疫は「非自己」や変化した「自己」に対して働くもの、すなわち認識機能を備えています。
 例えば哺乳類においては次の3つの独立した認識系が存在しています。
・B細胞にのみ発現する分子(抗体)によるもの
・T細胞にのみ発現するもの(T細胞受容体)
・多くの細胞に発現するもの(MHC:主要組織適合遺伝子複合体)
この3つの認識系が相互作用する事で様々な免疫機能を発揮しているというわけです。
 また、免疫には「自然免疫」と「獲得免疫」というものが存在します。自然免疫の代表格はマクロファージですが、獲得免疫の代表格はリンパ球です。このリンパ球は特異性と(免疫)記憶という特徴を備えており脊椎動物以降の適応免疫であろうと考えられています。現段階でははっきりとした事はわかっていないそうなのですが、生存期間、大きさ、体温、生息環境等に応じて様々な感染症対応する必要性が増したためではないかと言われています。
 もう一つ重要なことは「免疫寛容」です。「免疫寛容」とはある特定の抗原に対して免疫が働かないようにする事。なのですが、この「免疫寛容」のおかげで免疫の過剰反応を防いでいます。例えば哺乳類の胎内保育のように異物を体の中で育てる場合にこの「免疫寛容」が作用しています。これがないと赤ちゃんを異物とみなして攻撃してしまうというわけです。
 このように免疫進化を見る場合、大きくは「自己」と「非自己」の識別機能の高度化、「免疫寛容」、「自然免疫」から「獲得免疫」がキーワードになってきます。
さて、それでは系統樹を見てみましょう 😀
免疫進化系統樹 [4]
大きくは
原虫の食作用から哺乳類の多様性を持った抗体まで生物の構造が複雑になるにつれて免疫系も進化していっている事が分かります。また重要なことは
すべての生物は現在生息している環境に適した免疫系を持っている
という事です。
 
それぞれの段階での詳細な説明は②以降で行います!ご期待あれ。
免疫の基礎事項はこちらをご覧ください。
免疫機能の進化を紐解くインデックス(1) [5]
免疫機能の進化を紐解くインデックス(2) [6]
免疫機能の進化を紐解くインデックス(3) [7]
出典:「一目でわかる免疫学(第4版)」P.8 J.H.L.プレーフェア&B.M.チェーン著/㈱メディカル・サイエンス・インターナショナル発行

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