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“うつ”のメカニズム①「セロトニン」

どうも雅無乱 [1]です。

さて、最近仕事多忙でまともにエントリー書いてなかったので、ちょっとまとまった時間をとってまじめに書いてみます。

シリーズ①~③までです。興味ある方は、どうかおつきあいよろしく^^;)

うつ病が起こるメカニズムについては、いまだに解明されていないと言われています(検索してどのHPを開いても、はっきりしたことが書いていませ~ん)。

でも、抗鬱剤などの薬は開発されており、どうやら脳内のシナプス間隙のセロトニン濃度を上げることが、薬物治療の中心にはなっているよう。

もっとも、

>うつ病になると、自分がやるべきことができないことで他人に迷惑がかかってしまう、自分はなんて無能な人間なんだ、などと自分自身を責める思いが強くなります。この思いがあるかぎり、どんなに休養しても、どんなくすりを飲んでも効果はないか、あってもほんのわずかです。(横浜相原病院 院長・吉田勝明 http://www.asahi.com/health/soudan/jh031230.html [2]

“脳内の状態を薬でなんとかすればいい”、というだけの問題ではないとことは、医者自身の口からも語られているとおりですが…。

というわけで、まずは関わっている脳内物質の特徴をまとめてみます。

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●セロトニン

・体温調節、血管や筋肉の調節、攻撃性の調節、運動、食欲、睡眠、不安などに関わっている。ほかの神経伝達物質であるドーパミン(喜び、快楽)、ノルアドレナリン(恐れ、驚き)などに対しては制御する方向で働き、精神を安定させる作用がある。

・セロトニン神経は寝ている間にはほとんど働かない。とくにREM睡眠ではまったく働かない。覚醒中のみ働き、には2~3回/秒リズミカルにインパルスを発しているhttp://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=45927 [6]

・セロトニン神経系は、外部ストレッサーと無関係である
>セロトニン神経は、通常の覚醒刺激には全く応じない。痛みや騒音など外部からの覚醒刺激によってビクともしない。ラットにネコを近づけるなどの恐怖、情動刺激も無効である。また、低酸素、低血圧、低血糖などの内部環境の変動によってもセロトニン神経の規則的活動は揺るがない。
http://physi1-05.med.toho-u.ac.jp/system_neuro/serotonin/index.html [7]

ここまできて、なんか変だな、と思いますね。これまでなんとなく、“鬱病は、ストレスによってセロトニンが減るから起こる”、みたいに思っていましたが、どうやらそのような単純なプロセスではないようです。

・筋肉が疲労した時にできる乳酸は、セロトニンの再吸収を亢進させ、そのために気力が衰え、運動神経への促通効果もなくなり力が出なくなる。
・外部からの情報の内、注意行動をとるときだけセロトニンの放出がとまる。いつもは海馬に対して「受け流す」ように指令を出しているが、注意行動をとるときだけは海馬が記憶するように、セロトニンの放出を止める
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=79098 [8]

大きくはセロトニンは安定化ホルモンや秩序化ホルモンと呼んだ方が適切かもしれません。

どうやら覚醒時に安定的に機能することでホメオスタシスに関して重要な役割を担っていることは確かなようです。つづきはノルアドレナリンの働きを見てからあらためて考えてみます。

>>「それでは、セロトニン神経は何によって興奮するか?興味深いことに、脳内のパターン形成機構によって発現するリズム性運動が、セロトニン神経の活動を増強させる。歩行運動、咀嚼運動、呼吸運動、グルーミングなど、リズム性運動が繰り返されると、セロトニン神経の自発性発射頻度が増強するのである。」(http://physi1-05.med.toho-u.ac.jp/system_neuro/serotonin/s1/s1.html [9]

これも、興味深い事実ですね。

(素人なんで、間違いがあったりしたらツッコミお願いします^^)<②につづく>

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