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生物のかたちはどうやって作られる?

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7日の毎日新聞に以下の記事がありました。

ニホンメダカのゲノム解読に国立遺伝学研究所と東京大などが成功した。約8億の塩基配列のうち現段階で読める7億を解読し、2万141個の遺伝子を見つけた。8割がヒトの遺伝子と類似していた。

メダカとヒトを比べても8割は類似しているんですね まさに進化は塗り重ねです。
では、メダカや私達ヒトなど、生物のかたちはどうやって作られているのでしょうか?
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(上記写真は、こちら [4]からお借りしました)


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私が時々勉強させていただいている生命誌研究館 [5]の「脳の形はどうやって出来るかラボ」に以下の記事がありましたので引用紹介します。

基本的な研究方法として、カエルの頭部を形づくるのに重要な遺伝子の働きを解析しています。例えばある遺伝子は、脳の境界や領域を厳密に規定するのに働くことが分かりました。また、ある遺伝子は終脳の形成に、別のある遺伝子は前脳の背腹形成に重要であることが分かりました。さらにエネルギー生産に関わる遺伝子が脳の領域を作るのに重要であることも判明し、脳の形づくりは、様々な仕組みが絶妙に絡み合って成り立っていることが少しずつ明らかとなってきました。

脳だけを見ても、前脳を作ったり終脳を作ったり境界・領域を作ったりと、いろいろな遺伝子が絡み合って協働して一つの脳を作っているんですね 😀

 もう一つ、形づくりの解明において重要な問題があります。それはゲノムと形の問題です。ゲノムとは、多くの遺伝子が互いに複雑に関係し合って成り立つ体系であり、一つや二つの遺伝子の働きを研究し、それらを足し算して解明できるものではありません。ヒトという生物種にも個体差があります。背が高い・手が長い・頭が大きい・・・数値化すればそれぞれが全く異なる形となるであろう個性がありますが、それら全てを許容して、なお人はヒトなのです。ゲノムが決める形とは、どこまでこの多様性が許されるのかを規定することではないかと考えています。

ゲノムとはその生物の全ての遺伝情報ですが、それは一つ一つの遺伝子が勝手に動いているのではなく、互いに複雑に関係し合って成立する体系なんですね。
まさに遺伝子の共同体 [6]です。以下、るいネットより引用。

一個の遺伝子が単独に働くことは在り得ない。どの遺伝子も数十、数百、数千の他の遺伝子群と連鎖的に化学反応を起こしてはじめて何らかの働きを持ったアミノ酸や蛋白質を作り出すことが出来る。しかし、そうして作り出された一つの蛋白質だけでは、生命を維持することは出来ない。結局、十万の遺伝子が緊密に連動し、協働してはじめて生物は維持され、進化してゆく。要するに全DNA(ゲノム)とは、まぎれもなく十万もの遺伝子の共同体である。

進化の過程で、遺伝子群はお互いに協働して一つの体系(共同体)として生物の形を作り、外圧環境に適応してきました。また、オスメスの有性生殖によりこの遺伝子群は組み合わされ、同類他者を作ることにより多様性を獲得し強い種を残してきました。

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