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チンパンジーの成長 2

Posted By kawait On 2007年5月13日 @ 9:24 PM In 3)地上へ進出した哺乳類(原猿から真猿へ) | 3 Comments

さて、昨日に引き続きチンパンジーの成長と発達の過程を見て行きましょう :roll:
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人間で言うと社会人デビューに当たるのが、チンパンジーの16歳。
16歳以上のオトナオスになると、社会性を持つ事でオス同士の共認による協力関係 :-) や、評価不全等による葛藤 :blush: (自我の芽生え?)が頻繁に見られるようになります。
序列上の優位に立つことで、メスとの交尾 の機会が得られやすくなりますが、これは抜け駆け が可能な時に限られます。
チンパンジーの集団は離合集散する事が知られており、季節ごとに集団規模を変化させながら20~100匹程度の社会を構成しています。小集団での行動が多い時期では、アルファオスの目の届かない範囲も生じる為、オトナオスの中でも上位のものには、メスの獲得機会が生じるのでしょう。しかし、アルファオスに見つかってしまえば、当然ながらメスはアルファオスの元に戻り、場合によっては抜け駆けオスは制裁 :evil: を受ける事もあるそうです。この離合集散の機会は、自我の発現しやすい構造でもあると言えます。
また、オトナオス間では最も頻繁に示威行動(チャージングディスプレイ)や他のオスやメスとの毛づくろいをするのが観察できるそうです。日々、序列闘争を繰り返し、順位の確認をしつつ、時には連合を組んで上位オスを叩き落す事もあるそうです。
例えオトナオスになったとしても、メスを獲得する為には、目上のオスに勝たなければならない。性闘争は、力の序列によって完全に封鎖される、といった仕組みが見られます。
Yolo.gif [4]
写真は、ボッソウのアルファオス、ヨロさん [5]
迫力満点
ワカモノメス(9~13歳)は、未だ母親の傍を離れる事は少ないが、発情を迎えるようになります。しかし、実際に交尾をして妊娠するようになる前に、他集団へと移籍をします。
オトナメス(14歳~)となり、他集団への移籍後16歳くらいから、5~6年周期でコドモを産むようになるそうです。この周期は、コドモの成長過程として昨日の記事で説明した通り。コドモが親離れをする頃に、また発情が始まる、といった具合で、かつ同じ集団内においては、メスの発情周期は少しづつずらされているそうです。
最も強いアルファオスの子孫を確実に残そうとする仕組みが、見事に組み込まれています。
さて、最後に老年サル(33歳~)を見てみましょう。
既に年老いて序列闘争からも外れ、または生殖期を終えた個体も、40~50歳くらいまで、他の個体に守られて生きて行くそうです。
このように、チンパンジーの世界では集団を統合する仕組みはあくまでも序列優位。しかし、その序列を共認する事で集団内の役割を果たし、かつ縄張りを守りながら、最後まで仲間を大切にして生きている動物なのです。
厳しい外圧状況に打ち勝っていく為には、明確な序列の共認によって、時々発現する自我を封鎖し、常に集団第一である事。
自我の肥大した人類 :-( がチンバンジーから教わる事は、沢山ありそうですね
かわい、でした。


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