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霊長類の社会構造

Posted By s.tanaka On 2007年5月11日 @ 11:10 PM In 3)地上へ進出した哺乳類(原猿から真猿へ) | No Comments

昨日のエントリー「複雑な集団をつくるマントヒヒ」 [1]は、脳の進化と群れの進化の関係が示唆されていて興味深いですね。他のサルはどのような社会構造を持っているのでしょうか?

★類型化の観点
・単独生活か群れ生活か?
・群れ内のオトナ雄とオトナ雌の数がそれぞれ単数か複数か?
・群れに継承性があるか否か?
・群れが単層か重層か?
・凝集性の高い群れか否か(離合集散性が高いか否か)?

現在生息する霊長類をこの観点に当てはめると、次のように分類されるようです。
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★各類型とそれに属する主要な種
a) 単独生活
 ・夜行性原猿類(イタチキツネザル、ネズミキツネザル、アイアイ、ロリスなど)
  類人猿ではオランウータン
  (ただし、スマトラオランウータンはかなり集合性が認められる)
 ・雄と雌がいっしょにいるのは交尾期のみ
  mouselemur2.jpg mouselemur.gif
  ネズミキツネザル(右も)
b) ペア(一夫一妻・単雄単雌)型
 ・約180種いる霊長類の中で20数種(10数%)のみ
 ・昼行性原猿類の一部(シファカ、インドリなど)
  新世界ザルの一部(ヨザル、サキ、ティティ)
  旧世界ザルの数種(ブラザモンキー、メンタウェールトン)
  類人猿ではテナガザル
 ・子供は両性とも性成熟以前に集団を離れる。
c) 多夫一妻(複雄単雌)型
 ・マーモセット、タマリンなどの小型新世界ザル。
  goldenlion.jpg titi.jpg
  左:ゴールデンライオンタマリン  右:ティティ
d) 一夫多妻(単雄複雌)型
 ・【母系型】旧世界ザルの大半、ヒト
 ・【父系的色彩】ゴリラ(基本的に継承性はないが)
 ・交尾期に複雄化するパタスモンキー
 ・ゲラダヒヒの母系の重層社会
  Gerada-Shotake.jpg Gerada-Shotake2.jpg
  ゲラダヒヒ(右も)
e) 多夫多妻(複雄複雌)型
 ・【母系型】旧世界ザルのマカク属、ヒヒ属
       新世界ザルのオマキザル、リスザル、
       原猿類のワオキツネザルなど
 ・【父系型】新世界ザルのクモザル、ウーリーモンキーなど
       類人猿ではチンパンジー属(ただし、いずれも離合集散型)
 ・【双系型】新世界ザルのホエザル、新世界ザルのアカコロブスなど
 ・マントヒヒの父系の重層社会
  cebusapella.jpg hoezaru.jpg
  左:フサオマキザル  右:ホエザル

以上、京都大学自然人類学講義A 要点プリント [5]より
京大の人類学分野では、ヒトの社会構造の基本型は「母系型・単雄複雌(一夫多妻)型」と考えているようです。遺伝的には最も近縁種であるチンパンジーとは別の社会構造が基本だと見ているところが興味深いですね。
これらの多種多様な霊長類の社会構造がどのような環境条件の下で形成されてきたのか。その中で、現在の人類はどのような系譜を辿ってきたのかを、このブログでも追求していければ良いと思います。


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[1] 「複雑な集団をつくるマントヒヒ」: http://www.biological-j.net/blog/2007/05/000211.html

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[5] 京都大学自然人類学講義A 要点プリント: http://jinrui.zool.kyoto-u.ac.jp/~nakagawa/PhysAntholASummary2.pdf

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