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共認機能の獲得(2) 共感回路の形成

前回の続き。
本能不全に陥った原猿たちはどうしたのだろうか?

前回のおさらいと、今回の答えを図解にしてみました。
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⑤相手を注視→互いの課題=期待を同一視
・本能不全の原因の根っこには、哺乳類で、淘汰適応の必要から強化されてきた性闘争本能があった。性闘争本能は、「自分以外は全て敵」とする本能であり、縄張り闘争本能は、この性闘争本能を下敷きにして繋がっている。オスはメスを獲得しようとすれば、他のオスを倒すだけではなく、縄張りも確保しなければならない。
・だから、性闘争本能があると、縄張り闘争はなくならない。縄張り闘争がなくならないと、本能不全もなくならない。
・そこで、弱オスたちは、本能不全の原因である性闘争を互いに抑止し、性闘争本能強化の影で封鎖されていた追従本能を解除する。さらに、親和本能を強化して互いに依存しあうことで苦痛を和らげる。
・苦痛を抱えて互いに依存しあいながら、「どうする?どうにかならないか?」と可能性を相手に求め続け、互いに相手に期待し続けてゆく。
・互いに相手を注視し続けるうちに、ついに相手も自分と同じく依存し、期待しているということを探り当て、互いに相手の課題=期待を自己の課題=期待と同一視するに至った。

⑥共感回路の形成
・自分以外は全て敵という状況の中で、怯えきっていた弱サルたちにとって、「相手も同じく自分に依存し、期待しているんだ」ということを共感しあえた意味は大きく、双方に深い安心感を与え、互いの不全感(苦痛)をかなり和らげることができた。
・このような、相手の課題=期待を自己のそれと重ね合わせて同一視することによって充足を得る共感回路こそ、サル・人類固有の共認機能の原点である。

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