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実は触覚って重要!?

オキシトシンの話題が何度か出ていますが、今回はオキシトシンが分泌されることが確認されているスキンシップ(触覚) について書いてみようと思います。スキンシップ(触覚)によって安心感が得られることはたぶん殆どの人が実感できるところだと思いますが、一方で「触覚」って普段あんまり意識していない人が多いのではないでしょうか?
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画像はコチラ [1]からお借りしました。


普段、人間が外部情報を受信するときの、いわゆる五感の関わる割合は(説による違いはありますが、一説には)、視覚83%・聴覚11%・触覚3%・味覚2%・嗅覚1%であるといわれています。
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こう見ると触覚の割合は結構小さいんですね。こんなに小さい割合ならたいしたことないんじゃないかと思ってしまいそうですが、調べてみるとやっぱりすごく重要な機能であることが分かります。

触れる感覚としての触覚は、ヒトに限らず、あらゆる動物に備わっている感覚といっていい。ヒトの赤ちゃんでは、生まれて最初に働くのが、この触覚だと考えられている。もちろん、他の4つの感覚もセンサとしては環境の変化を受容している。しかし、触覚は異なる。例えば、赤ちゃんは母の肌に触れることで安心感を生み出しているという。単に触覚センサで触れたものを受容しているだけでなく、意識現象としての働きを起こし始めているのだ。そして、手で乳に触れ、そこに栄養を補給する命の源があることを察知していく。眼はまだ光を感じるだけで見えない。また、少し育てば、身の周りのガーゼや布団の襟などに触れ、それが自分を守るものだということを学んでいく。さらに育てば、身体に触れる堅いものの危険や柔らかいものの気持ちよさを通して、外界を認識していくのである。まさに、触れることで知能の発育を開始するのだ。ヒトにおいてさえ、生まれたばかりという初期状態で、触感は働き始める。まさにプリミティブな感覚だといえる。つまり触覚は原始的な感覚器官だといっていい。


更に、触覚(皮膚感覚)は血行をよくして全身の神経を発達させたり、また冒頭で書いたように人間に安心感をもたらす機能でもあります。これは多くのデータでも立証されていることですが、最近の研究結果をひとつ紹介します。
夫の手を握るとストレスが軽減 [2]
最近は不安感etc.のマイナスの感情を消すために薬剤の投与なども盛んに行われていますが、長期的に見ても元々備わっている機能を使っていった方がはるかに有効なんじゃないかという気がしてきますね。それどころか薬が機能を退化させている可能性は非常に高く、この傾向は非常に危険です
因みに五感が衰えだすのは視覚が13歳,聴覚が15歳,臭覚が20歳,味覚が29歳,触覚が60歳からのようです。実は触覚が最も早く発達して最も遅くまでその機能を維持し続けているんですね 🙄 そのあたりから考えても、触覚が人間にとって如何に重要な機能であるかが推測できます。
翻って普段の生活を考えてみると、あんまりスキンシップとかって重要視していない感じが・・・
触覚よりも割合の少ない味覚とか嗅覚の方が注目されることは多いですよね。
このことが現在起こっているいろいろな問題の根底にある可能性は非常に高い気がします。当然触覚だけで語りきれるものではないとは思うのですが。。どうでしょうか?
最後に現在の問題との関係を考える上で参考になりそうな投稿をるいネットから紹介します。
再生が必要なのは、社会空間における「親和・スキンシップの充足体験」 [3]
オキシトシンと共認回路の関係 [4]
波動)

[5] [6] [7]