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脳の幹

昨日のエントリーは「脳の起源」にまつわるお話でしたので、今日はその続きを。
脊椎動物(魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類)の脳の中で最も原始的といわれている部分「脳幹」についてです。

脳幹には、呼吸や心臓の活動、体温調節など、生命を維持するための全ての神経が集まっています(眠っている間も、心臓を動かし続け、体温が調節できるのも脳幹のおかげ)。

またいわゆる「植物状態」とは、脳のうち、脳幹だけが生きていて他が死んでしまう状態のことです。脳幹が死んでしまった場合は、間もなく大脳も死んでしまうそうです。すなわち、生物の生き死には、脳幹の生死と直結していると言えます。

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※図版引用元:日本プライマリーケア推進協会 [4] 

上図のとおり、脳幹は、間脳(視床・視床下部)、中脳、延髄、橋、で構成されています。大脳が意識的な活動に関係しているのに対して、脳幹は無意識活動の中枢と呼べます。

●脳の進化史からみると・・・
約5.4億年前(カンブリア大爆発)に出現した原索動物であるホヤの幼生に、脳形成のはじまりとされる「神経管」の起源が見られます。

約5億年前の魚類では、頭部に脳幹・小脳・大脳という基本構造を持った脳の原型が出来上がります。この頃の脳は生命維持に必要な脳幹が大部分で、小脳は小さな膨らみだけ、大脳も小さく、生きていくために必要な本能や感情を司る大脳辺縁系のみでした。この構造は両生類もだいたい同じです。約3億年前に出現した爬虫類になると、その大脳に新しい皮質(大脳新皮質)がわずかに現れ始めます。

脊椎動物は魚類→両生類→爬虫類/哺乳類…そして人類へと進化を遂げていきますが、どの生物の脳も基本構造は同じです。脳幹を文字通り「脳の幹」として、古い機能に新しい機能が付け加わるように、塗り重ね的に進化してきたんですね。

●また、この「脳幹」は、生命維持に必要不可欠なだけでなく、人類においては「考える」「思い出す」といった知的活動にも密接に関係していると言われています。古い脳である脳幹と新皮質との両輪がかみ合って始めて、脳全体がネットワークとして多面的総合的な思考が可能になる。つまり脳幹は、脳全体のエンジンでもあるというわけですね。
↓↓↓詳しくはコチラ。是非ご覧ください。
★脳回路の2段階構造 [5] 

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