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「母は強し」の生物学的根拠

Posted By nanbanandeya On 2007年1月20日 @ 11:52 PM In ①進化・適応の原理 | No Comments

雅無乱 [1]です。

日経サイエンス2006年4月号22頁~に掲載されていた「子供の世話をする理由は、単にそれが気持がいいからなのかもしれない。」によると、ラットの実験で、おもしろい結果が出ているので、今回はその記事を紹介します。

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    <オランウータンの親子>

妊娠を1~2回経験しているラット(以下「母ラット」)が、同年齢の未婚ラットより、危険を冒して餌を捕る実験において、はるかに優れた能力を発揮したという。

また、J.Wartellaによると、未婚ラットなら緊張と不安で身動きができなくなるような状況でも、母ラットはしきりと状況を調べようとする。その時、母ラットの脳の中では、ストレスと感情を制御する海馬CA3領域扁桃体基底外側部の2箇所でニューロンの活性が低下し、恐怖やストレス反応が軽減されているらしい(C.H.Kinsley&K.G.Lambertの報告)。

さらに、学習や記憶能力に関わる海馬CA1領域は、妊娠中の長期にわたる高濃度の女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)に晒されると、神経細胞の突起棘密度が高まる(神経が繋がりやすくなる=賢くなる!)ことが分かった(G.S.Sandoz&R.Trainer&P.Quadrosの実験)。

おまけに、出産時に子宮の収縮と母乳の分泌を促すホルモン、オキシトシンは、脳の海馬に影響してニューロン同士の長期的な結合を促進、その結果、記憶と学習能力を格段にアップさせる(K.Tomizawaの実験)。向上した能力は、授乳後も永続し、なんと、老化による神経の変性に関与しているタンパク(アミロイド前駆体)の蓄積が少ない(つまり脳が老化しにくいことも証明されている(J.D.Gatewoodの実験)。

以上はラットによる実験結果。

じゃあ、人間ではどうなんだろう?

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…というわけで、同じ日経サイエンスの記事に、人間の母親の脳をfMRIで解析した様々な結果も報告されている。

・赤ん坊の泣き声を聞かせると、視床下部の内側視索前野領域および前頭前野、眼窩前頭皮質全てが活性化(サウスキャロライナ大J.P.Lorberbaumの報告)

・自分の子供を見つめると、脳の報酬系(A10神経など)の制御領域が活性化する(ロンドン大A.Bartels&S.Zekiの実験結果)

…というわけで、“母親”になると恐怖や不安を克服して活動的になるばかりか、記憶力や学習能力まで格段にアップし、しかも、老化しにくくなるのだから、やはり「母は強し」は本当なんだなぁ。

女性にとっては、子供を生んで育てることは生物学的な恩恵(不安になりにくい、記憶力がアップする、老化しにくい)が満載である。これは、産まなきゃ損かも!

世の中の女性のみなさん、「面倒だ」とか「スタイルが悪くなる」とか言わずに、これだけ効用のある「妊娠・子育て」にぜひチャレンジして、「少子化問題」なんてぶっ飛ばしてください!^o^)w


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