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オスだけがもつ遺伝子【OTOKOGI】

今日は少し番外編
最も原始的な多細胞生物とされているボルボックス
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ボルボックス [1]ってこんな 生き物
このボルボックスからオスを決める遺伝子が、東京大理学系研究科の野崎久義研究チームによって発見されたという記事があった。こんな単純な藻類の頃からオスメス分化が始まっていたのか・・・ 今日はその記事を紹介します。


以下朝日新聞(1/9)より引用。
藻類の仲間のボルボックスで、雄だけがもつ遺伝子を、東京大理学系研究科の野崎久義・助教授(生物科学)らの研究チームが発見した。ボルボックスの進化の過程で、雄が誕生するカギとなった遺伝子だと考えられ、「OTOKOGI(おとこぎ)」という愛称をつけた。
球形の群体をつくるボルボックスには、雄の精子が雌の卵に受精する卵生殖をする種類が含まれる。チームは神奈川県内の湖で、そうした新種を発見。その遺伝子を解析し、OTOKOGIを見つけた。この遺伝子は精子が作られる時に強く働いていた。
ボルボックスより原始的な単細胞藻類のクラミドモナスは、プラスとマイナスと呼ばれる二つの性から同じ大きさの配偶子ができて、生殖することが知られている。この場合、MIDという遺伝子を持つと、プラスの性がマイナスになる。
OTOKOGIの塩基配列はMID遺伝子の配列に似ていた。野崎さんは「MID遺伝子が進化してOTOKOGIが生まれたとみられる。ここでは性の原型は雌で、進化の過程でMID遺伝子を持つようになり、雄が派生したと考えられる」と話す。この成果は米科学誌カレント・バイオロジーに先月発表された。

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