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赤ちゃんを守るために、お母さんは免疫を低下させている?!

生物絶滅「自然状態の100倍の速度」・国連が地球環境白書案 [1]を読んで、
産まれてもすぐ死んじゃうようになるの…?絶滅… ?!と思ったゆっきーです
貧困の消滅と、免疫機能の不全 [2]、なるほど~でした 🙄
免疫の機能不全は、貧困の消滅から招かれていたんですね
病原体などの非自己物質を認識し、排除してくれる免疫機能。
お腹の中で赤ちゃんを育てるお母さんの免疫機能には、赤ちゃんを育てるための秘密があるらしいのです
実は、「哺乳動物は妊娠中に細胞性免疫を抑えて胎児を守っている」のです!
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半分の遺伝子が父親から由来しているため、母親にとって胎児は異物です。異物である胎児を長期間体内に存在させるための免疫機構を哺乳動物は進化の過程で獲得しました。哺乳動物は妊娠中に母親の免疫から胎児を保護するため、細胞性免疫(Th-1機能)を低下させます。卵を産む鳥類や爬虫類、両生類、魚などは母親の体の外で胎児が育つため母親の免疫を抑える必要はありません。哺乳動物の母親は妊娠中に細胞性免疫(Th-1を機能)を抑えて胎児を守っています。さらに、胎児と母親の接触面(胎盤)ではTh-2機能を活発に働かせてTh-1機能を抑えています。産まれてきた子どもは、Th-1低下、Th-2優位の状態で産まれます。生後、正常な腸内細菌叢など常在細菌叢からの刺激でTh-1が発達、Th-2が抑制されていき、バランスがとれた免疫が発達していきます。
化学物質が免疫機能に及ぼす影響 [6]より

image686.jpg化学物質が免疫機能に及ぼす影響 [6]より
※Th-1・Th-2…Th-1は細菌やウィルスなどの異物を攻撃、破壊して感染を防御し、さらにマクロファージをも活性化する。Th-2はカビやダニなどに反応し、細胞に抗体を作らせる。この2つは、免疫全体のバランスを保つために互いにけん制している。つまり、Th-2がつくるサイトカインはTh-1の増殖を抑制し、Th-1のつくるサイトカインは、Th-2の活性を抑制する。
※サイトカイン…細胞から分泌されるタンパク質で、特定の細胞に情報伝達をするものをいう。多くの種類があるが特に免疫、炎症に関係したものが多い。また細胞の増殖、分化、細胞死、あるいは創傷治癒などに関係するものがある。
※マクロファージ…白血球の1つ。免疫システムの一部をになう細胞で、生体内に侵入した細菌、ウイルス、又は死んだ細胞を捕食し消化する。
哺乳類は、寒冷化と恐竜支配という逆境の中、子孫を残す確率を高めるために、
母胎内で胎児へ栄養や酸素の補給をし、胎内である程度育てることにしました
しかし、胎内で保育するためには、乗越えなくてはならない壁があったのです
それは、体内に侵入した異物を攻撃、破壊して感染を防御する免疫機能
半分の遺伝子が父親から由来しているため、母親にとって胎児は異物。
胎児が異物として認識されると、攻撃を受けてしまうのです
そこで、母親の免疫から胎児を保護するため、細菌やウィルスなどの異物を攻撃、破壊して感染を防御し、マクロファージを活性化するという免疫を低下させてしまったのです
哺乳類は恒温機能を獲得したが故に、細菌類やウィルスが繁殖しやすくなり免疫機能を一段と進化させていました。…そんな状況下で!
胎内で胎児を育てるために、妊娠中は免疫を低下させる。
これって、危険 な賭けですよね 🙄 。全ては適応してゆくため…。
「赤ちゃんをおなかの中で育てる」っていうことも、すごいことだったんだ~!!って思いました (その後、胎盤や母乳、授乳という行為によって免疫物質が次々と受け継がれてゆくこともすごいっ!)
あれっ?どうやって免疫機能を低下させたんだろう…?という疑問を残しつつ…
読んでくださってありがとうございます

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