「オス・メスを決定付けているのは?」
と問われると
「性染色体!」
と生物史・進化史になじみの薄い方は思わず答えてしまうのでは?
(もしかして生物オンチの筆者だけ??? )
実は…
(写真はライオンのオスとメス)
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哺乳類以前の魚類~爬虫類には、集団内での体格差や外界の温度変化=体温変化が雌性or雄性いずれかの性ホルモン分泌を促し、それによって雌雄が決定される種が多数存在しているのです。
このことは、必ずしも性染色体の組み合わせによって雌雄が決定される訳ではないことを示しています。
つまり、外圧状況(環境要因)に応じた役割分化によって個体の性別が決定されるメカニズムの方が先行しているのですね。
↓↓図表は性の決定・分化について整理されたものです
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「ホルモンとは」 [5]参照
魚類⇒両生類⇒哺乳類(両生類⇒爬虫類⇒鳥類)と進化に伴い性が固定的になっていくのが分りますね。
ちなみに、遺伝子によって雌雄を決定している種は哺乳類と鳥類ですが、これらは恒温動物であるという共通項があります。
遺伝子によって雌雄決定を行っていた種から、恒温動物が発生・進化したという系統樹になっていると思われます。
この遺伝子決定型の雌雄分化システムは、生殖系機能の指令系統がシステム的に明快です。
だからこそ、代謝機能や生体維持機能の進化に不可欠の神経系統や内分泌系統の発達のための言わば余力を生み出せたとは考えられないでしょうか。
現に、哺乳類・鳥類ともに性的役割分化を強力に推進しつつ、それ以前では類を見ないような手間のかかる生殖様式(胎内保育or卵を抱くor生後も親が育てるetc)を実現し、なおかつ、運動能力と知能の両方の進化が加速されています。
この生涯固定の雌雄分化は、胎内保育というメスの生殖負担の上昇とオスの闘争役割への特化という、雌雄の性差を急激に拡大することによってやっと適応できたという『実現論』 [6]の論旨とも見事に符合している点も注目されます。
もうひとつ、哺乳類のオスメス分化を語る上で重要(こちらの方が本流ですが)な
「オスの性闘争本能の強化」と「内雌外雄の摂理(本能)」、
および群れの全ての雌が首雄(勝者)に集中する「首雄集中婚の婚姻様式(本能)」の形成については、
当ブログ記事の
哺乳類の性闘争本能の強化と内雌外雄1 [7]
哺乳類の性闘争本能と内雌外雄2 [8]
あまり知られていない性闘争本能の重要性 [9]
を参照ください。
次回はのだおじさんが雌雄同体についてエントリーしてくれます。