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生き物はなぜ死ぬのでしょうか?

Posted By marlboro On 2006年12月19日 @ 1:00 AM In ①進化・適応の原理 | 2 Comments

タイトルの表題は、誰もが一度は考えたことがあるんじゃないかな~ということで、今回は生き物の死についてレポしてみたいと思います。

現代人的な価値観だと、死ぬこと は怖いものとか悪いものとか捉え勝ちですが、生物が死ぬことは、進化するために欠かせない適応可能性なのです。

「死なくして進化なし」なんですね~。

続きを読む前にポッチとな!!
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オスメス分化を考える上で、生物は大きく以下の二つに区分できます。
無性生物=性別が無い生物(単細胞生物など)
有性生物=オスメスに分かれている生物
に区分できます。

冒頭に生物は死ぬと書きましたが、正確には、単細胞生物(無性生物)は圧倒的な外圧がないと死にません。不老不死

単細胞生物は環境条件が許す限り死ぬことはなく、無限に増えていきます。

とにかく可能な限り増殖することで種を保存する戦略をとっているのです。
ところが、この戦略は分裂した細胞が最初の細胞と全く同じものとなり、みんな同じですから、環境が変化するとみんな一斉に死んでしまう危険性が高いのです。

たとえ、全滅しないにしても、環境がほとんど変わらない限られた条件でしか生存できません。

一方、オスメスに分化した有性生物は、変異可能性・環境変化に対する適応可能性を飛躍的に高めました。

ここではオスメスに分化するだけではなく、遺伝情報を伝える『生殖細胞』と身体を構成する『体細胞』に分化します。

生殖細胞は、とにかく増殖するという単細胞時代の戦略を引き継いでいます。精子も卵子も単細胞で多数生まれますが、受精に至るのはほんの一部です。種を保存するにはまず個体数を増やすことが前提条件で、そのためには単細胞の増殖戦略が一番適しています。だから生殖細胞はこの戦略を採り続けているのでしょう。

ところが、体細胞では増殖戦略ではやっていけなくなります。体細胞は各々が役割分担をしており、むやみやたらと増殖できません(むやみやたらに増殖するのは癌細胞 です)。

むしろ細胞の死を、特に成長過程では有効に活用します。

例えば、オタマジャクシがカエル になるときに尾っぽがなくなるのは、尾の細胞が死ぬからです。人間の手ができる過程でも、まず肉の塊ができてから指の間の細胞が死ぬことで指ができるそうです。

「個体発生は系統発生を繰り返す」のが事実だとしたら、不要な細胞が死に、環境適応上必要な細胞に特化することで生物は進化してきたのだと言えそうです。

ところが環境は刻々と変化しますが、死んだ体細胞を復活させて一から始めることはできないのです。

なぜでしょうか

それでは環境が変わった場合の適応が難しくなるからです。だから、体細胞は一代で全部チャラにして、遺伝情報を受け継いだ生殖細胞から体細胞を一からつくりなおすことで、環境変化に対する適応可能性=変異可能性を高めたのです。これが個体の『死』という生命現象ではないでしょうか。

生のための死というように、個々の細胞の生と死が絡み合って、細胞集団の生を支えています。少なくとも近代思想のように生と死を対立概念として捉えることは、生物界では通用しないってことですねっ!!すごいっ :P

更に、再生能力を持たない心臓細胞や神経細胞が老化し、これが不要細胞として取り除かれていくと個体の死に繋がっていきます。

このように見ていくと、死とは、私たちの遠い祖先が敢えて選んだ生き方(適応可能性)だと言えそうです。それは、不老不死と引き替えに、新しい組み合わせの遺伝子を子孫に残すという道であり、限りある寿命の中で生涯をまっとうし、次の世代に新しい可能性を託すことです。言わば、死ぬことによって進化する機構なのです!!

さらに、個体を死にいたらしめる細胞死も積極的に行われているとしたら、生物個体と生物集団との関係においても、個体の死によって集団の生が支えられていることになります。だから、個体の死は仲間を生かすために、集団が進化するためにあるといっても良いのではないでしょうか。

生物って、ほんとすごいっ
以上、やっさんがお送りしました。

次回はさいひろ君が、魚類・両生類のオスメスの役割について、レポしてくれます。お楽しみに~!!


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