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ヤクザル物語(後編)

Posted By postgre On 2006年11月30日 @ 12:49 AM In 6)“祖先の物語”番外編,②シリーズ“祖先の物語” | 3 Comments

前編でヤクザルの(遊動域)(発達)(集団構成)について見て行きました。
このHPはサル学で有名な京都大学人類進化論研究室 [1]のHPです。
他にも野生チンパンジーの世界や嵐山のニホンザルなどの生態もありますので参考に読んでみてください。但し、この種の報告は現在のサルについての生態報告という事をお忘れなく。
人類の直径の祖先である真猿と呼ばれたサルと現在のそれも人間に保護された中で生活しているサルはかなり異なっているという事です。一番の違いは外圧状況の違いです。
人類が誕生する直前のサルの状況は寒冷化や森の減少という自然外圧も現在より高く、さらに大型肉食獣がかなり地上に闊歩していた時代です。そして何よりも食料に対して過剰なまでの同類のサルが回りにいたのです。
そんな外圧の中、木の上に群がった真猿の集団は原猿時代に獲得した同化機能を使って集団を形成し課題共認ー役割共認ー評価共認する事で闘争集団として同類同志の戦いを生き延びて進化してきたのです。
それでは以下にヤクザルの生態報告を続けます。後編は(社会関係)(繁栄)(集団間関係)です。
yakuzaru.gif
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(社会関係)
一緒に食べる相手や毛づくろいを誰とするのかなど、群れの中でのつきあい方には偏りがあります。メスは、母と子供を中心として血縁の近いもの同士でふだんはつきあっていますが、オスはメスのように頻繁に特定の相手とかかわるよりもむしろ、順位の高いオトナのオスはオトナのメスと、順位の低い若いオスは同じクラスのオス同士でつきあうことが多いようです。
⇒女の人が母親と仲がいいのはサル時代から。女同士も仲が良さそうです。それにしても順位の低い若いオスはなんだか冴えないサラリーマンのようですね。でも彼らは外からしっかりと群れを守っているんです。
ヤクザルは外圧が既に緩んでいますから完全なボス集中婚は崩れているようです。それでも上位のオスザルにしかメスは当たらない。サル社会はある意味きびしいーのです。

(繁殖)
ヤクザルの交尾期はだいたい8月の終わりから1月の初めにかけてで、交尾をするのはこの期間に集中しています。さらに、出産の期間はもっと限られていて3 月から5月にしかみられません。ニホンザルの妊娠期間はおよそ6か月なので、メスが受胎をするのはだいたい9月から11月までの間だけであることがわかります。すなわち、12月や1月の交尾は妊娠には直接結びついていないことになります。このように、ニホンザルが子供をつくることには、はっきり限られた季節性があります。また、メスがコドモの世話を何年にもわたってするのに対して、オスは子育てに協力しないので、オスがどうして一年中メスたちと一緒に群れをつくって生活するのかは、コドモをつくることだけではうまく説明がついていません。
メスは交尾期のあいだずっと発情をして交尾をしているわけではありません。メスにはヒトと同じような月経周期があり、そのなかの1/3ほどの期間のみ交尾をします。一回の発情でメスは複数のオスと交尾をすることが普通です。そのため、オスのみならずメスにとってもコドモの父親が誰であるのかはわかっていないようです。ただし、メスはどのオスとも交尾するわけではありません。さきほど出てきたように、オスは群れを次々と移っていきますが、このためにオスが血縁の近い自分の母親や姉妹と交尾をすることはほとんどありません。これは近親交配の回避とよばれている現象ですが、サルを含めていろいろな動物もまた、どちらかのコドモが親元を離れていくことによって近親交配が起こらないようになっています。
⇒この記述はかなり現代のサルというフィルターが掛かっています。メスが複数のオスと交尾したり、近親交配をさけて外のオスを選択して交尾するというのは外圧が低下した屋久島のサル特有の行動様式でしょう。この辺はニホンザルとはいえ最強のサルとなって乱婚に移行したチンパンジーやボノボに生態が似てきています。近親交配が起こらないようにコドモが離れていくというのはどうも人間社会中心の見方のように思います。
(集団間関係)
群れ同士の関係というのは、まだよくわかってないところが多いのですが、たいていの場合強い群れと弱い群れというのが決まっているようです。つまり、群れがであうと、いつも同じ側が勝ち残って、もう一方の群れが退くことがよく起こります。その結果、強い群れはたくさんの食物を食べることができ、一方弱い群れはそれまで食べていた食物を食べられなくなったりします。こうして、栄養条件に差が生じ、よく出産し、あまり死なない群れと、出産率が低く死ぬ個体が多い群れに分かれていくのではないかと考えられています。また、こうした道筋以外にも群れが栄えたり、落ちぶれたりすることがあるようです。しかし、いくつかの群れが含まれるような広い範囲で考えると、そのなかに生活するサルの数は、いつでも大体同じぐらいになっています。
⇒これも屋久島という狭いところで適応してしまったサルの特徴でしょう。サルは集団同士の戦闘が第一課題ですが、勝ち負けがはっきりして闘いにならない状態まで集団が固定化したため、厭戦状態になっているのが屋久島のサルたちです。形式的には闘うけど常に勝敗は決している。これが続くと上記に書かれているように個体数が安定するようです。
お付き合いありがとうございます。分析が間違っている!という方はコメント入れてください。
ken太郎でした。


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