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もっとも強い不全を抱えた生物がもっとも進化した(新しい機能を獲得した)。

どうも、雅無乱です。今日はNHKの科学番組の話。
一昨年放映されていたNHKスペシャル『地球大進化 46億年 人類への旅』http://www.nhk-book.co.jp/magazine/special/index_earth.html [1]は、我々の「ご先祖様」の進化の歩みを追っていく番組だった。
book03_img.jpg [2]
この番組を見て、強く印象に残ったことがある。
それは、このエントリーの題にあるとおり「その時点で最も適応できていない、周囲に比べて著しく立ち後れた生物ほど、次の次元の新機能を獲得することにより複雑化・高度化してきた」という事実だ。
例えばこんなこと…
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その環境に適応している生物は基本的に表現型を変える必然性がないため、長期にわたってほとんど変化しない(古細菌、カブトガニ、シーラカンスなどなど)。次の段階へ進化する生物は、それまで適応できていた安住の地を追われて、新たな環境に挑戦しなくてはならなかった生物たちだった。
shiirakansu_s.jpg [6] kabutogani.jpg [7]
画像はここからhttp://www.aquarium.co.jp/kannai/kodai.html [8]

嫌気的環境を追われた生物同士が、猛毒の酸素を逆に利用してもっと高い効率でエネルギーを引き出す機能を獲得したり、甲殻魚類に追われて最もひ弱だった脊椎動物の祖先の一種が、川や陸上に追われて、最初に陸上にあがった生物になったり…。これらは、このブログの「進化シリーズ」でもおなじみだ。
そして、哺乳類が「胎生」という新機能を獲得したのも、巨大火山の噴火による超低酸素状況がきっかけだったと言われている。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=106749 [9]
我々人類にしてももともとは、言ってみれば木に登れなくなった「サルの欠陥体」(http://www.rui.jp/ruinet.html?i=100&c=1&t=6#01 [10])。だからこそ、共認機能をより強化し、観念機能という新しい機能を生み出さなくてはならなかったのだろう。
さらに考えをすすめてみれば個体のレベルでもそれはあてはまる。成育過程である程度(死なない程度)の圧力にさらされた個体のほうが、生育後もより強力な圧力への耐性ができ、対応の選択肢が豊富になるため、生き残る確率が上がる。
人間に無理矢理当てはめると、「かわいい子には旅をさせろ」かな?
教育においても、この生物の普遍的原理をあてはめると、今までの「ゆとり教育」はまったくの勘違いだということになる(「ゆとり教育」先進国のデンマークでさえ、その考えが見直されていると先日新聞にも載っていた)。「我が子のため」とか言って甘やかせば甘やかすほど、その子の外圧適応力の発達を阻害し、その子をスポイルしてしまう。
多分、子供の頃からずっとぬくぬくと甘い環境にいると、将来社会に出て困ったことになるということだろう。
そう言えば、親に甘やかされている金持ちのボンボンにはろくなヤツがいない。世の中にモまれた奴ほど逞しく頼れる存在だったりする。生物学的真理はやはり人間にも当てはまる… ^^;)
そしてこうも言える。
今はサエなくて苦労ばっかりしている奴も、その外圧を乗りきったら成長している。ヌクヌクとしてきた奴より可能性はあるんだ^^)w

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