いままで地中で生活していた原モグラはなぜ樹上で生活するようになったのか?今回は原モグラが樹上で生活するようになったストーリーを扱います。 😮
■樹の枝を足でつかめる猿の祖先ノタルクトゥス(5000万年前)の想像図
○恐竜が絶滅して地上の縄張り争いはどう変わった?
恐竜が絶滅した6500万年前から4000万年前までの間に、現存する哺乳類の種別の大半がでてきます。
その中でも齧歯目(=ネズミ目)は遅くとも5000万年前までには出現していたといわれています。
齧歯目は繁殖力が高く、3000万年前には寒冷地を含めて世界中に拡散します。
その結果、原モグラは主要な縄張りであった地面と落ち葉の隙間はこの齧歯目が制覇したと考えられます。
○縄張り争いに負けた原モグラはどこに逃げたのか?
ネズミに追われて地中にもぐったのが現在のモグラで、鉤爪を生かして樹上逃避したのが
原猿(=霊長目)です。
初期原猿が登場したのは、4500万年~4000万年前と言われています。
そこから逆算すると、齧歯目の登場から1000万年に満たない間に、樹上へ逃避し、木の枝から枝に飛び移るための四足の親指の骨格の発達させ、さらには枝を掴めるまでの指の対向性を獲得するに至ります。
補足
原モグラがヘビに追われて樹上逃避したという意見もありますが、哺乳類と比べると運動活性は劣ります。
また、ヘビの進化を見てみると、手足を無くし、毒によって自分自身の骨も脆弱になるなど、小型哺乳類の捕食機能に対応するために体を進化させてきています。
時代を比較してもヘビの繁栄は爬虫類の中では異常に遅く、特に毒蛇への進化は3000万年~2500万年前と食虫目・齧歯目の登場・拡散よりも後なので、ヘビが直接の原因なりえない。
進化というと、環境の変化にたまたまあったものが生き残るというイメージがありましたが、『逆境で進化した』というのがこの例からも正しいと思います。(もともとネズミにも勝てなかった原モグラがたった1000万年で木の間を飛び回ることができるようになる。)
まさに、生物は逆境がなければ進化はしない!! 😡